電波利用環境の保護の重要性がさらに高まる中、増加傾向にある不法無線局の防止などの強化のためには、より効率的かつ効果的な電波監視が必要とされてきました。
このため、総務省では平成5年度から電波利用料を財源として、電波監視の強化のために施設整備を行っていますが、その一つとして、不法無線局検索の決め手ともいえる電波監視システム（DEURAS（デューラス）：DEtect Unlicensed Radio Stations）を開発し、全国の主要な都市への整備を進めています。
DEURASは、各地に設置されたセンサ局や車両に搭載されたセンサ局を、総合通信局等に設置されたセンタ局から遠隔操作することにより、センサ局で受信した電波をモニタ（聴音）したり、電波発射源の方位等を測定して、不法無線局の位置等を特定するためのシステムです。
このシステムは、従来のシステムに比べ、構成する機器の高度化が図られ、測定精度や操作性の向上、自動監視など、機能の大幅な充実が実現しています。
DEURASは、その機能から
の各設備に分類され、全国各地への整備が進められています。
全国の主要都市周辺の鉄塔やビルの屋上などに設置している幾つものセンサ局を、各地にある総合通信局に設置しているセンタ局と高速デジタル専用回線で結んで構成されています。測定周波数範囲は25MHz〜3GHzと広く、デジタル携帯電話やデジタルMCA、PHSなど近年の技術の進歩にも対応し、自動監視も可能です。急速に普及が拡大している移動通信をはじめ、無線通信に混信やその他の妨害を与える不法無線局の監視を行っています。
鉄塔やビルの屋上等に設置している1つのセンサ局と、総合通信局とをISDN回線で結んで構成されています。電波監視施設を全国的に整備するための施設で、不法電波の発生や混信等の申告がある度に、センタ局から測定すべき周波数等の制御情報をセンサ局に送り不法電波の到来方向の表示や音声のモニタを行います。測定周波数範囲は25MHz〜2GHzでやはり自動監視が行えます。
