中国総合通信局(局長:長塩 義樹)は、この度、中国地域ICT産学官連携フォーラム(会長:相原 玲二)など関係機関・団体と共催で、地域課題解決に向けた戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の最新の研究開発成果を広く紹介するとともに、新事業創出を目指すベンチャー企業等を支援する「ICTイノベーション創出チャレンジプログラム(I-Challenge!)」の公募説明を行い、さらに既に実証実験を行っている事業等の事例紹介を通じて産学官のマッチングを図る「地域ICTイノベーションセミナー」を開催し、地方自治体、民間企業等から約75名が参加しました。
事例紹介
株式会社エネルギア・コミュニケーションズ 武田 洋之 氏
広島県のAI/IoT実証事業「ひろしまサンドボックス」から採択を受け、現在実施している 傾斜地でのレモン栽培の実証事業について、AIやIoT、ロボットを用いた生産の効率化、後継者不足等の課題解決に向けた取組についてご紹介を頂きました。
講演後、参加者の方々から多数の質問が上がるなど、関心の高さが伺えました。
岡山大学 ヘルスシステム統合科学研究科 教授 阿部 匡伸 氏
「地域活性化政策立案のための音響信号による“賑い度”調査プラットフォームの研究開発」
スマートフォンから取得した環境音を分析・情報処理を行うことにより、どれだけ人が賑わっているかを数値化・視覚化する仕組みを開発されており、分析結果を地図上に表示することで街の「賑い度」の分布が確認できるという非常に興味深い内容でした。
県立広島大学 経営情報学部 教授 市村 匠 氏
「検診結果に基づく深層学習による予測システムの開発とひろしま健康長寿ネットワークの構築」
入力されたデータの特徴に応じて、自らのネットワーク構造そのものを変更・適応させる新たな深層学習(Deep Learning)の手法を開発し、医療画像や問診データから高精度で医療診断の支援が可能なシステムを開発されており、今後の事業化も期待できるとのお話を頂きました。
山口大学大学院 創成科学研究科 准教授 小柴 満美子 氏
「プロアクティブマインドを育む感覚―運動ニューラルネッティングICT空間の研究開発」
ICTを活用した様々なアート作品の製作や、それらを用いた高齢者の認知症予防のための実証実験の結果についてご紹介頂きました。
広島市立大学 情報科学研究科 教授 西 正博 氏
「アシュアランスネットワーク設計原理に基づいた草の根災害情報伝搬システムの研究開発」
土砂災害の被害が多数発生している広島市において、地域の災害情報の速やかな取得と共有のための仕組み作りとして、モバイルアドホックネットワーク(MANET)を用いた情報伝搬システムや固定型モニタリングシステムの開発状況をご説明頂きました。
広島大学 医学部救急集中治療医学 客員准教授 貞森 拓磨 氏
「無人航空機を利用した医療過疎地域における緊急血液検体搬送の研究開発」
離島のような医療過疎地域において、血液検査等をドローンで代替するための遠隔制御や動態管理の研究を行っているとのことで、最新の飛行試験の結果等、現在の開発状況について発表を頂きました。
成果発表後には、I-Challenge!の公募内容説明を中国総合通信局の情報通信連携推進課の坂平課長より、「地方版IoT推進ラボ」の概要について中国経済産業局の大倉参事官より説明がありました。
セミナー終了後には、会場後方に設置したパネル展示コーナーにおいて、セミナー参加者と講師との名刺交換や活発な意見交換が行われました。
中国総合通信局では、今後も中国地方の企業・大学等、産学官の連携を通じてICTの利活用、新たな事業化や起業の支援を積極的に展開していきます。
連絡先 情報通信連携推進課/電話:082-222-3408 |