中国総合通信局（局長：小原 弘嗣）は、令和6年2月7日、中国経済産業局、中国情報通信懇談会及び中国地域サイバーセキュリティ連絡会※1（以下「連絡会」）との共催で、連絡会の構成員等を対象とした「中国地域サイバーセキュリティ連絡会交流セミナー」（以下「交流セミナー」）を岡山国際交流センター（岡山市北区）で開催し、29名の参加がありました。
連絡会では、セミナー等は「対面」と「オンライン」を併用した「ハイブリッド形式」で開催することを基本としていますが、今回の交流セミナーは名刺交換などを通じて連絡会の構成員相互の交流を図り、もって、「共助」を推進することを目的に「対面」のみで開催しました。
また、有意義な交流セミナーとするため、事前に参加者から質問・相談を受け付けたほか、会場でも質問や意見などを受け付け、これに対して講師の方からご回答いただきました。
こうした内容で開催した結果、今回の交流セミナーは、参加者と講師の皆様との積極的なコミュニケーションを図ることができ、大変有意義なイベントになりました。
また、国立研究開発法人情報通信研究機構（NICT）にご協力いただき、交流セミナーの会場内においてCYDER※2のデモ展示を実施し、参加者にCYDERの一部を体験していただく機会を設けるとともに、サイバーセキュリティに関するパンフレットなどを配付しました。
※2 実践的サイバー防御演習（Cyber Defense Exercise with Recurrence）。サイバー攻撃を受けた際の一連の対応（インシデント対応）をロールプレイ形式で体験できる演習。
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https://cyder.nict.go.jp/
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交流セミナー終了後に行った参加者へのアンケートでは、「自社のネットワーク機器の管理やサイバーセキュリティ対策の状況を点検して必要な見直しを行いたい」、「セキュリティ人材の育成について情報共有したい」など、サイバーセキュリティに関する意識やセキュリティレベルの向上に繋がる感想が寄せられた一方で、「サイバーセキュリティ対策関連費用が年々増加している」、「経営陣はサイバーセキュリティの知識が乏しく関心もあまりないと感じる」といった課題も寄せられました。
交流セミナーのプログラム及び概要は次のとおりです。
岡山大学 野上 保之 氏
講演1：「ゼロトラスト時代のDX人材育成とサイバーフィジカルセキュリティ」
講師：国立大学法人岡山大学 DX推進担当副理事 野上 保之 氏
概要： 岡山大学で取組んでいるDX人材の育成方策についての説明や、AI技術を用いたサイバー攻撃の実情の解説をされました。また、産学官連携で取組んでいる「DXサンライズおかやま（DXSUN）」の活動について報告がありました。
岡山県警察本部
角南 和正 氏
講演2：「サイバー犯罪の現状と対策」
講師：岡山県警察本部 生活安全部 サイバー犯罪対策課
課長補佐 角南 和正 氏
概要：サイバー犯罪の情勢や、具体的な犯罪（インターネットバンキングに係る不正送金事犯）の状況、サイバー犯罪等に関する横断状況などについて説明され、最後に、サイバー犯罪の被害は警察へ通報するよう呼びかけられました。
株式会社両備システムズ
有森 貞和 氏
講演3：「DX推進における次世代サイバーセキュリティ対策のポイント」
講師：株式会社両備システムズ
有森 貞和 氏
概要：DX化に当っては、部門を超えた組織的横断取り組みが必要であり、セキュリティ対策も求められていることから、サイバー攻撃とその対応策を理解して、次世代サイバーセキュリティのポイント（早期検知・早期復旧）を知ることが重要であることなどについて解説されました。また、セキュリティインシデント発生時の相談先を見つける必要があることについても説明がありました。
パネリスト 総務省
井上 あゆみ 参事官補佐
座談会：「地域におけるサイバーセキュリティ対策の在り方について」
モデレーター：岡山大学 野上 保之 氏
パネリスト：岡山県警察本部 角南 和正 氏
株式会社両備システムズ 有森 貞和 氏
総務省 サイバーセキュリティ統括官室 井上 あゆみ 参事官補佐
概要：最初に井上参事官補佐から、総務省におけるサイバーセキュリティの取組について、NICT等が行っている施策の紹介や、地域のセキュリティ推進強化を図っていることなどについて説明がありました。
その後、「地域におけるサイバーセキュリティ対策の在り方について」をテーマに、モデレーターと各パネリストの間で、地域の企業や自治体などがサイバーセキュリティ対策を行う上での課題などについて意見交換が行われ、参加者から寄せられたサイバーセキュリティに関する質問や相談などについての回答がありました。
中国総合通信局では、今後も連絡会等と連携し、サイバーセキュリティセミナーや、インシデント対応勉強会等を積極的に開催するとともに、企業の規模やセキュリティ対応の習熟度合いに応じた情報の提供や共有を行うことにより、中国地域におけるサイバーセキュリティの人材育成や対策の推進に取り組んでまいります。（サイバーセキュリティ室）
セミナー会場の様子
CYDERデモ展示の様子
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