総務省トップ > 組織案内 > 地方支分部局 > 中国総合通信局 > 報道資料 2015年度 > X帯(9.4GHz帯)気象用レーダーの実用化に向けた技術的条件等の最終とりまとめ

報道資料

平成28年3月11日
中国総合通信局

X帯(9.4GHz帯)気象用レーダーの実用化に向けた技術的条件等の最終とりまとめ

調査検討会最終会合の開催
  中国総合通信局(局長:黒瀬 泰平)は、防災・減災等に活用できる小型で安価な気象レーダーの実用化のための技術的条件や運用条件を検討するため、「X帯無線航行レーダー帯域における気象レーダーの利用に関する調査検討会」(座長:河原 能久 広島大学大学院教授)を、平成27年7月から開催していましたが、本日、第3回調査検討会において報告書を取りまとめました。

1 概要
   近年多発するゲリラ豪雨や竜巻等の局地的な気象観測に用いるX帯(9.4GHz帯)の電波を利用する小型の気象用レーダーの実用化にあたって、同帯域を主に使用している船舶の航行用レーダー及び航空機に搭載される気象レーダーとの共用を可能とする技術的条件等を明らかにしました。

2 報告書のポイント
(1)  実地試験の結果概要
 ・  小型の気象用レーダー相互間及び小型の気象用レーダーと船舶用(航行用)レーダー間の電波干渉については、小型の気象用レーダーの最大出力、放射角度等を調整することにより共用可能。
 ・ 小型の気象用レーダーと航空機搭載気象レーダー間の電波干渉については、航空機搭載気象レーダーには電波干渉除去機能が搭載されているものが少ないため、使用する周波数及び距離による離隔を考慮することにより共用可能。


(2) 小型の気象用レーダーを実用化した場合の効果
 ・ 小型の気象用レーダーは、半径30〜50km の狭い観測域での高解像度で降雨量の計測が可能であるという特徴があり、ゲリラ豪雨・都市型浸水・土砂災害、河川洪水の予測、ダムの排水管理、道路や鉄道の安全管理などに有効であることが期待される。
 ・ 小型であるため設置が容易であり、設置場所の自由度も高く移設も容易に行うことが可能である。
 ・ 都市部においては、周辺の高層建築物によってレーダーの電波が遮断される場合や、豪雨によって電波が大きく減衰し、その地点から遠方が観測できないという課題についても、安価である小型の気象用レーダーを複数設置することにより、お互いに補完し合うことで解消される。

(3) 報告書概要版 別添PDF【3.5MB】のとおり
   なお、報告書本文は3月下旬を目途に当局ホームページにて公表いたします。
  
 (関係資料)
 ○第1回調査検討会調査検討会立ち上げ(平成27年7月6日)
  中国総合通信局HP
  https://www.soumu.go.jp/soutsu/chugoku/fieldinfo/01sotsu08_01000439.html

  ○広島県東広島市で小型気象レーダー実現のための実証試験を公開(平成27年11月27日)
  中国総合通信局HP 
  https://www.soumu.go.jp/soutsu/chugoku/01sotsu08_01000482.html
 


連絡先
無線通信部企画調整課
電話:(082)222−3355
 

ページトップへ戻る