本調査の実施の背景とねらい及び調査の概要

本調査の実施の背景とねらい

 近年、統計の精度を維持するという視点から、報告者の負担に対する関心が高まってきて
いる。この問題に関する基本的な認識として、平成7年の統計審議会の答申「統計行政の新
中・長期構想」において、「統計の作成に当たり、報告者は、統計の内容を形成する『資源』
としてのデータの源泉であることから、統計調査の円滑な実施及び統計の精度の維持・向上
を図る上で、その統計調査に対する協力の確保が必要不可欠の条件である。しかしながら、
近年、社会・経済の変化に伴う情報ニーズの増大に対応するため関係統計の整備が進むにつ
れ、結果として報告者負担が増加し、これが上記協力の低下を招いており、報告者負担の軽
減を図ることが重要な課題となっている。」旨が記述されている。
 今回の「報告等の記入依頼状況等に関する実態調査」は、このような問題認識に即して企
業(本社)の報告者負担の実態を調査したものであるが、報告者負担の軽減という目的から
考えるならば、統計調査と業務報告をあわせた全体としての負担軽減を図る必要があるので
はないかと思われる。このようなことから今回の調査においては、統計調査と業務報告、さ
らには民間機関の行う調査等との関係を明らかにするというねらいの下、平成12年8月の1
か月間において、企業(本社)に対して回答(報告)の依頼があった国、都道府県、市町村、
特殊法人、経済団体、シンクタンク、マスコミ、大学等が実施する統計調査や各種調査・報
告(以下「報告等」という。)について、その報告等の名称、依頼機関、依頼に対する回答の
有無と回答した場合の負担の状況等を調査し、国の統計調査と他の報告等との依頼状況の比
較を行うほか、回答に当たってのそれぞれの負担の程度を把握した。
 具体的には、以下のような視点を意識して調査を実施した。
 (1)  企業(本社)に報告者負担を課すこととなる報告等のうち、国の統計調査の依頼件数
   は、国の業務報告や民間調査等と比べてどの程度の割合を占めているか。
 (2)  報告等の依頼に対する企業(本社)における回答状況について、報告等の種類(依頼
   機関の違い)により差異がみられるか。
 (3) 企業(本社)では、報告等に対する調査票(回答)をどのような方法で作成している
   か。特に、どの程度コンピュータの活用による作成が行われているか。報告等の種類に
   より差異がみられるか。
 (4)  企業(本社)における報告負担感は、どのような理由によるものか。報告等の種類に
   より差異がみられるか。

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