令和6年7月16日更新
※ 以下は、総務省に特に多く寄せられた問合せに対する一般的な回答をとりまとめたものです。
受取人は、民法上の自然人であるか法人であるかを問いません。差出人がその意思の表示又は事実の通知を受ける者として特に定めてあれば、「○○会社 御中」と記載したとしても、それは○○会社に対する意思の表示又は事実の通知をしていることとなるため、信書に該当します。
会社内のある部署から別の部署にあてた場合でも、差し出す部署からの意思を表示し、又は事実を通知する文書であれば、信書に該当します。(よくある質問 Q1、Q3参照)
信書に該当するか否かは、個人情報を含むか否かによってではなく、その文書の内容が、特定の受取人に対して、差出人の意思を表示したり、事実を通知するものであるか否かによって判断されます。(よくある質問 Q3参照)
封筒に「親展」の記載があるからといって必ずしも信書に該当するとは限りません。信書に該当するか否かは、その封筒に収められた文書の内容が、特定の受取人に対して、意思を表示したり、事実を通知するものであるか否かによって判断されます。
電磁的記録物(例:情報をCD、DVD、USBメモリ等に電子データとして記録したもの)は、その物を人が見るだけでは情報の内容がわからないことから、「文書」とはならないため、信書に該当しません。
※文書とは、文字、記号、符号等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物のことをいいます。
特定の方ではなく、ご覧になる方一般に向けて意思を表示したり、事実を通知するために作成された文書は、信書に該当しません。
一方、特定の受取人に対して意思を表示したり、事実を通知するために作成された文書は、信書に該当します。
※ ホームページや新聞等に掲載した内容と同一内容の文書であっても、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示したり、事実を通知するために作成された文書は、信書に該当します。
また、意思を表示したり、事実を通知する文書であっても、例えば、会社から各従業員に対する文書を本社において全従業員分を一括作成し、支店等に所属する従業員分をまとめて送付する場合には、本社からその支店等への送付については、これにより会社が意思を表示したり、事実を通知するものではないため、信書の送達には該当しません。(その文書によって会社が意思を表示したり、事実を通知するのは、支店等においてその文書を各従業員に交付する際です。)
免許証、資格等の認定書、検査などの結果を通知する検査成績票や商品の品質証明書など証明書や許可書の類については、その許可や証明等を行う者からその許可や証明等を受ける者に対して送付する場合は、差出人から特定の受取人に対して意思を表示し、又は事実を通知する文書であるため、信書の送達に該当します。
一方、許可や証明を受けてその許可書や証明書等を受領した者が、その証明書の原本やコピーを他所へ送付する場合は、信書の送達に該当しません。
顧客・取引先から会社あての契約申込書や請求書は、会社に対して顧客・取引先の意思を表示し、又は事実を通知する文書であるため、顧客・取引先の意思の表示又は事実の通知が会社に到達すれば信書の送達は完了することになります。
会社あての契約申込書や請求書について、当該会社の支店等で受付処理をしているのであれば、支店等が受け付けた時点で顧客・取引先の意思の表示又は事実の通知が会社に到達し、信書の送達が完了することとなるため、当該契約申込書や請求書をそのまま支店等から本社に送付する場合は、信書の送達には該当しません。
なお、受け付けた契約申込書や請求書に付記、添付する等により、本社に対して申込書の審査をしてほしい、取引先に代金を支払ってほしい等という支店等の意思が表示されたものを支店等から本社に送付する場合は、信書の送達に該当します。
信書の送達は、信書をその名宛人に送達することとなっておりますので、信書の差出しの委託を受け、郵便局又は信書便事業者に差し出すことのみを業とすることは、信書の送達にはなりません。
ご指摘の事例では、信書に該当する場合と該当しない場合があります。
例えば、未記入の申込用紙を送付する場合は、特定の受取人に対する差出人の意思を表示したり、事実を通知する文書とはならないため、信書に該当しませんが、その申込用紙を受け取った申込人が、必要な事項を記入した上で企業等に送付する場合は、特定の受取人に対して差出人の意思を表示したり、事実を通知する文書となるため、信書に該当します。
貨物の送付と密接に関連し、その貨物を送付するために従として添付される無封の添え状・送り状は、信書に該当しますが、貨物に添えて送付することができます。(郵便法第4条第3項)
(類例)
・調剤された薬剤と一緒に薬剤の目録や性質、使用方法等、薬剤の送付と密接に関連し、薬剤を送付するために従として添付される無封の文書を送る場合、その文書は薬剤の添え状・送り状に該当します。
「無封」とは、(1)封筒等に納めていない状態、(2)封筒等に納めて納入口を閉じていない状態のことをいいます。また、封筒等に納めて納入口を閉じている場合であっても、(3)当該封筒等が透明であり容易に内容物を透視することができる状態、(4)当該封筒等の納入口付近に「開閉自由」等の表示(※)をするなど運送営業者等が内容物の確認のために任意に開閉しても差し支えないものであることが一見して判別できるようにしてある状態も「無封」に含まれます。
車検証は、運輸支局等が自動車の所有者に対して、登録された自動車が保安基準に適合していること及び記載された所有者が所有権を有しているという事実を通知したり、意思を表示する文書であり、信書に該当します。
一方、自動車の所有者が受領した後においては、その車検証による事実の通知や意思の表示が既になされた後であるため、その原本もコピーも、信書に該当しません。
(類例)血統書、合格証書、産業廃棄物管理票、点検表・調査報告書・検査成績票・品質証明書その他の点検・調査・検査などの結果を通知する文書
市販されている製品の取扱説明書は、広くその製品の使用者一般に対し、その製品の使用方法や使用上の注意などの意思を表示し、又は事実を知らせるものであり、特定の受取人に対するものではないため、信書には該当しません。
(類例)市販の食品・医薬品・家庭用又は事業用の機器・ソフトウェアなどの取扱説明書、約款、目論見書
商品サンプルは、文書に該当しないため、信書には該当しません。
(類例)鍵、カードキー、花束
履歴書は、一般的に、応募する会社等に対し自らの経歴や資格等の情報を通知する文書であり、応募者から会社等に送付する場合は、特定の受取人に事実を通知する文書となるため、信書に該当します。
また、会社等による選考後、当該履歴書を応募者に返送する場合は、応募者への合否の通知という信書を送付する際に同封することが一般的であるため、郵便又は信書便で送付する必要があります。
※仮に、会社等から応募者に履歴書を単体で返送する場合は、会社等から応募者に対して意思を表示したり、事実をを通知する文書ではないため、信書には該当しません。
論文は、一般的に、広く一般に自らの考えや研究成果を知らしめるために作成される文書であるため、信書には該当しません。
(類例)作文、卒業論文、俳句、裁判記録、講習会冊子
設計図は、製作に携わる者が参照するために作成されるものであれば、特定の者に対し意思を表示し、又は事実を通知する文書ではないため、信書には該当しません。
各種試験の合否や得点・偏差値等を記載した文書を、その内容を通知するために送付する場合には、差出人から特定の受取人に対して意思を表示したり、事実を通知する文書であるため、信書に該当します。
アンケートは、受取人を選別していれば、当該受取人に対して回答してほしいという意思を表示する文書であるので、当該受取人にその内容を伝えるために送付する場合は、信書に該当します。
また、特定性のない母集団から無作為抽出した場合、信書に該当しませんが、母集団自体に特定性がある場合、無作為抽出であっても信書に該当します。