アルゼンチン(最終更新:令和元年度) Argentine Republic

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

2019年6月現在、ブロードバンド回線の主流はケーブルモデムで5割以上のシェアを占めている。ADSLは4割で、この後に光ファイバと無線ブロードバンドが続く。

ブロードバンド市場は、2018年1月にケーブルテレビ最大手のケーブルビジョンとの合併が完了した地元資本のテレコム・アルゼンチンと、スペインの大手通信事業者であるテレフォニカ傘下のテレフォニカ・アルゼンチン(TdA)の複占状態にあり、両社を合わせたシェアは6割超に及ぶ。この2社に続くのがメキシコ通信大手アメリカ・モビル傘下の固定通信事業テルメックス・アルゼンチンで、光(FTTH)に注力することにより新規加入者獲得を目指している。

固定ブロードバンド加入数及び加入率(2014-2018年)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
固定BB加入数(千) 6,519 6,856 7,223 7,843 8,474
固定BB加入率 15.3% 15.9% 16.6% 17.8% 19.1%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

移動電話市場

移動電話市場は、ここ数年、クラロ・アルゼンチン(アメリカ・モビル傘下)、モビスター・アルゼンチン(TdA傘下)、テレコム・パーソナル(テレコム・アルゼンチン傘下)の大手3社のシェアが拮抗する状態が続いている。

このほかに、テレコム・アルゼンチン傘下のFiberCorp(旧ネクステル・アルゼンチン)が法人向けサービスを提供しているが、同社のシェアは1%にも満たない。ネクステル・アルゼンチンは1998年に米国のNIIホールディングスにより設立されたが、経営難から同社の経営権はアルゼンチンのメディア大手クラリン・グループ(Grupo Clarin)、ケーブルビジョンと移り、最終的には2019年1月にテレコム・アルゼンチンの法人向けサービス部門FiberCorpに吸収された。

2019年6月末現在、LTEサービスの加入者が移動体通信市場全体の約5割を占めており、LTE網のカバレッジは3社とも80%を超えている。2017年11月に国内初の5Gサービスの実証実験がモビスター・アルゼンチンによりブエノスアイレスで行われた。同社は2021年から5Gの商用サービスを開始する予定である。ライバルのテレコム・パーソナルは2018年4月に5Gサービスの実証実験を行っており、2020年の5G商用サービス開始を計画している。

移動電話加入数及び加入率(2014-2018年)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
移動電話加入数(千) 61,234 61,842 63,720 61,897 58,598
移動電話加入率 143.6% 143.6% 146.5% 140.9% 132.1%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

2000年の通信自由化以降も、旧国営通信事業者Entelの資産を引き継いだ既存事業者と呼ばれるテレフォニカ・アルゼンチンとテレコム・アルゼンチンの2社で8割以上のシェアを占めている。競合事業者には、約250社からなる地元の小規模な協同組合で構成される公営企業FecotelやFecosurに加えて、アメリカ・モビル傘下のテルメックス・アルゼンチン等がある。

固定電話加入数及び加入率(2014-2018年)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
固定電話加入数(千) 9,822 10,073 10,165 9,744 9,714
固定電話加入率 23.0% 23.4% 23.4% 22.2% 21.9%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

地上放送

全国向け地上放送は、国営放送RTAが運営するTelevision Publica Argentina、と商業放送の4社(Telefe、Artear、Telearte、America)が実施している。地上放送のチャンネルはすべて衛星経由で全国のケーブルテレビ事業者に配信されている。

有料放送

2019年6月現在、有料放送契約件数は約951万である。このうち衛星放送の契約件数は約246万で、衛星放送最大手は米国AT&T傘下のディレクTVである。ケーブルテレビ市場は、近年の経済危機の影響やOTTサービスの隆盛で、契約数の伸びは鈍化傾向にあり、ケーブルテレビ契約件数は約705万である。

重要政策動向

ブロードバンド政策

2018年10月より「通信とインターネットの国家計画(Plan Nacional de Telecomunica-ciones y Conectividad)」が開始された。全国における固定ブロードバンド網の早期構築とLTE網の拡充を主な狙いとして、2019年末までに人口の93%を占める2,790の市町村にLTE網を敷設するほか、インターネット接続料金の低廉化を目指すとしている。

デジタル放送

2010年4月から国営放送Television Publica Argentinaがブエノスアイレスで地上デジタル放送を開始した。2019年末時点で地上デジタル放送は人口の80%をカバーしている。アルゼンチン政府は2019年3月にアナログ放送からデジタル放送への完全移行期限を、当初予定の2019年から2021年8月31日に延期すると発表した。

基礎データ集

国の基礎データ

政体

共和制

面積

278万400㎢

人口

4,436万1,150人

首都

ブエノスアイレス

公用語

スペイン語

経済関連データ

通貨単位

1ペソ(ARP)=1.88円(2019年9月末)

会計年度

1月から1年間

GDP

5,198億7,152万USD(2018年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 アルゼンチン・デジタル法、電気通信サービス免許規則
放送 視聴覚コミュニケーション・サービス法

監督機関

通信 公共イノベーション庁、国家コミュニケーション機関
放送 公共イノベーション庁、国家コミュニケーション機関、連邦公共メディア・コンテンツ機構
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