世界情報通信事情 World Information and Communication Circumstances

Swiss Confederation スイス(最終更新:令和6年度)

市場の動向

インターネット・ブロードバンド市場

ブロードバンド市場は安定しており、事業者間のシェアの変動も少ない。最大手であるスイスコムが市場自由化後も最大の加入数シェア(約5割)を占めており、以下サンライズ、ソルトと続く。2024年6月現在、ブロードバンド契約のうち4割がDSL、3割がFTTHである。

固定ブロードバンド加入数及び加入率(2019~2023年)

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
固定BB加入数(千) 4,024 4,016 4,174 4,104 4,328
固定BB加入率 46.9% 46.5% 47.9% 46.7% 48.8%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

移動電話市場

5割の加入数シェアを持つスイスコムのほか、サンライズとソルトがサービスを展開している。スイスコムは5G展開を促進し、2021年末現在、人口カバレッジは99%である。ソルトは4G以上での人口カバレッジは99.9%とし、4G+以上であれば最大750Mps、5G+であれば最大1.7Gbpsが出るとしている。サンライズは2022年末現在、1,132の自治体で5Gが利用可能としている。

移動電話加入数及び加入率(2019~2023年)

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
移動電話加入数(千) 10,887 11,006 10,728 10,900 10,900
移動電話加入率 126.9% 127.4% 123.2% 124.0% 122.9%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

固定電話市場

1998年の市場自由化以降も寡占傾向が続いている。2023年末現在、加入数シェアはスイスコムが6割弱、サンライズが4割強と、市場はほぼ複占状態にある。2013年のスイスコムのVoIP転換に伴い、2023年末時点で9割超がVoIPを利用している。

固定電話加入数及び加入率(2019~2023年)

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
固定電話加入数(千) 3,171 3,064 3,006 3,004 3,003
固定電話加入率 37.0% 35.5% 34.5% 34.2% 33.9%

出所:ITU World Telecommunication/ICT Indicators Database

放送市場

地上放送

2005年から地域ごとにDVB-T方式による地上デジタルテレビ放送を開始し、2008年2月にデジタル化転換が終了したが、視聴世帯が少ないことから、公共放送の費用削減政策の一環で2019年6月に地上放送を終了した。

有料放送

衛星放送受信世帯は全体の15%程度である。公共放送SGR SSRが7系統で国内難視聴地域向けに無料同時放送を行っている。

ケーブルテレビの世帯普及率は約4割である。ケーブルテレビ事業者には、公共放送SRG SSRによる七つのチャンネル及び隣国の公共放送(ARD、ORF eins、F2、Rai 1等)の同時送信が義務付けられている。リバティ・グローバル傘下のサンライズや23地域のケーブルテレビ連合のQuickline等が大手であるが、全国では300社以上がある。

重要政策動向

連邦ICT戦略2020-2023

連邦政府は2020年4月、「連邦ICT戦略2020-2023」とその実施のための「2020マスタープラン」を承認した。連邦政府のデジタルトランスフォーメーションのための連邦評議会の計画に基づき、連邦政府の情報技術をビジネスニーズに合わせて最善の方法で調整することに重点を置いている。

基礎データ集

国の基礎データ

政体
連邦共和制
面積
4万1,284㎢
人口
887万人
首都
ベルン
公用語
ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語

経済関連データ

通貨単位
1スイスフラン(CHF)=169.71円(2024年9月末)
会計年度
1月から1年間
GDP
8,849億4,040万USD(2023年)

出所:World Bank, World Development Indicators Database

法律

通信 電気通信法
放送 連邦ラジオ・テレビ法 等

監督機関

通信 連邦通信庁、連邦通信委員会
放送 連邦通信庁、独立番組苦情審査委員会