市場の動向
インターネット・ブロードバンド市場
ブロードバンド市場は安定しており、事業者間のシェアの変動も少ない。最大手であるスイスコムが市場自由化後も最大の市場シェア(約5割)を確保している。
スイスコムが2008年からFTTH網の構築に関して複数の公共企業体と契約を結んでおり、2021年末現在、ブロードバンド契約のうち2割強がFTTHである。
固定ブロードバンド加入数及び加入率(2017-2021年)
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
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固定BB加入数(千) | 3,917 | 3,884 | 4,023 | 4,015 | 4,007 |
固定BB加入率 | 46.3% | 45.6% | 46.9% | 46.5% | 46.1% |
移動電話市場
移動電話の普及率は2007年に100%を超え、年々増加している。スイスコムのほか、サンライズ、ソルトの3社がサービスを展開している。
2019年2月には5G向け周波数オークションが実施され、既存3社が700MHZ、1400MHz及び3500MHzを落札した。スイスコム及びサンライズは2019年4月、ソルトは2020年8月にサービスを開始した。
移動電話加入数及び加入率(2017-2021年)
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
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移動電話加入数(千) | 11,089 | 10,789 | 10,887 | 11,006 | 11,061 |
移動電話加入率 | 131.2% | 126.7% | 126.9% | 127.4% | 127.3% |
固定電話市場
1998年の電気通信市場の自由化以降も、スイスコムを中心とする市場の寡占傾向が続いている。2021年末時点でスイスコムが約6割、サンライズが約4割のほぼ複占状態。
2013年のスイスコムのVoIP転換に伴い、2021年末にはVoIPが9割を超えている。
固定電話加入数及び加入率(2017-2021年)
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
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固定電話加入数(千) | 3,559 | 3,331 | 3,171 | 3,064 | 2,957 |
固定電話加入率 | 42.1% | 39.1% | 37.0% | 35.5% | 34.0% |
放送市場
地上放送
2005年から地域ごとにDVB-T方式による地上デジタルテレビ放送を開始し、2008年2月にデジタル化転換が終了したが、視聴世帯が少ないことから、公共放送の費用削減政策の一環で2019年6月に地上放送を終了した。
有料放送
衛星放送受信世帯は全体の15%程度である。公共放送SGR SSRが7系統を国内難視聴地域向けに無料放送を行っている。
ケーブルテレビの世帯普及率は約4割である。ケーブルテレビ事業者には、公共放送SRG SSRによる七つの地上放送チャンネル及び隣国の公共放送チャンネルの同時送信が義務付けられている。
IPTVはスイスコムが提供し、世帯普及率は約5割である。
重要政策動向
連邦ICT戦略2020-2023
連邦政府は2020年4月、「連邦ICT戦略2020-2023」とその実施のための「2020マスタープラン」を承認した。連邦政府のデジタルトランスフォーメーションのための連邦評議会の計画に基づき、連邦政府の情報技術をビジネスニーズに合わせて最善の方法で調整することに重点を置いている。
基礎データ集
国の基礎データ
- 政体
- 連邦共和制
- 面積
- 4万1,284㎢
- 人口
- 869万人
- 首都
- ベルン
- 公用語
- ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語
経済関連データ
- 通貨単位
- 1スイスフラン(CHF)=148.58円(2022年9月末)
- 会計年度
- 1月から1年間
- GDP
- 8,006億4,016万USD(2021年)
法律
通信 | 電気通信法 |
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放送 | 連邦ラジオ・テレビ法 等 |
監督機関
通信 | 連邦通信庁、連邦通信委員会 |
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放送 | 連邦通信庁、独立番組苦情審査委員会 |