総務省では、利用者が安心して電気通信サービスを利用できるよう、透明性を高めるルールを設けました。具体的には、Webサイトやアプリを利用する際に、利用者の意思によらず、第三者に自身の情報が送信されている場合があります。利用者に関する情報が第三者に送信される場合に、利用者自身で確認できるようになります。
近年、SNS、動画共有、ニュース配信、検索等のサービスを通じ、多くの情報流通がスマートフォン等を経由して行われてきているところです。
このような様々なサービスを無料で提供するプラットフォーム事業者において、利用者に関する情報が取得・集積される傾向が強まっています。
利用者にとっての利便性が高まる側面もある一方で、利用者が知らないうちに影響される可能性も高まっています。
特に、ウェブサイトやアプリケーションを利用する際、利用者自身が認識していない状態で、利用者の端末から第三者に自身の情報が送信されている場合があります(外部送信)。そして、そのように外部に送信された情報に基づき、例えば広告配信のカスタマイズ等、利用者が知らない間に、目にする情報が選別されるなどの影響を受けていることもあり得ます。
ウェブサイトやアプリケーションを運営している事業者においては、このような状況を利用者に知ってもらって、安心してサービスを利用できるようにすることが大切です。また、外部送信される情報についての透明性を高めることによって、自身のサービスの安全性や信頼性をアピールすることにもつながります。
このようなことを踏まえ、2022年6月、電気通信事業法を改正し、タグや情報収集モジュールを使って、利用者に関する情報を外部に送信する場合に、利用者が確認できるようにする規律を設けました。
電気通信事業を営む者(ウェブサイト運営者、アプリケーション提供者等)は、利用者の端末に外部送信を指示するプログラムを送る際は、あらかじめ、送信される利用者に関する情報の内容等を、通知・公表(利用者が容易に知り得る状態に置く)等しなければなりません。
主に、次のような電気通信役務をブラウザ又はアプリケーションを通じて提供する際に、利用者の端末に外部送信を指示するプログラム等を送信する場合、通知又は公表(利用者が容易に知り得る状態に置く)、同意取得、オプトアウト措置のいずれかを、利用者に対して行ってください。
※ただし、以下の場合は、電気通信事業に該当しないため、対象にはなりません
4.ホームページの運営[自社商品等のオンライン販売]
4.ホームページの運営[企業等のホームページ運営・個人ブログ]
ただし、次に該当する情報の外部送信については、通知又は公表(容易に知り得る状態に置く)は不要となります。
このフローチャートは、事業者が「各種情報のオンライン提供サービス等」を提供している場合に、そのサービスが外部送信規律の適用対象役務となるかを表しています。「各種情報のオンライン提供サービス等」以外にも、外部送信規律の適用対象役務となる場合がありますが、そのような場合については、このフローチャートは対象にしていません。
外部送信規律は、電気通信事業法に基づき、「電気通信事業」を営む者に適用される規律です。オンラインサービスにおける「電気通信事業」の考え方は上図のとおりであり、該当しない場合は、外部送信規律は適用されません。
電気通信事業者に対し、通信の秘密に属する事項その他の個人情報の適正な取扱いについて具体的な指針を示し、プライバシー保護と電気通信役務の利便性の向上を図ることを目的として、「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」及びその解説を公表しています。改正電気通信事業法の施行(2023年6月16日)に先立ち、外部送信規律及び特定利用者情報の適正な取扱いに関する規律に関する記載を追加します。
電気通信事業法の適用(登録・届出を要する電気通信事業への該当の有無等)を判断するための考え方や具体的な事例について、2005年から「電気通信事業参入マニュアル [追補版]」を公表しています。法の適用を、より分かりやすく解説するために、「電気通信事業参入マニュアル[追補版]ガイドブック」も公表しています。