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情報通信分野における知財・標準化の推進

国際標準化と国内の検討体制

 情報通信分野の国際標準化は、規格の共通化を図ることで世界的な市場の創出につながる重要な政策課題であり、国際標準の策定において戦略的にイニシアティブを確保することが、国際競争力強化の観点において極めて重要です。
 情報通信分野の国際標準のうち、公的な位置づけであるデジュール標準については、電気通信分野における国際連合の専門機関である国際電気通信連合(ITU: International Telecommunication Union)において策定されています。
 ITUの実務機関として、以下の3部門が設置されています。

  • ITU-R (ITU Radiocommunication Sector):無線通信分野の周波数分配や標準化を行う無線通信部門
  • ITU-T (ITU Telecommunication Standardization Sector):電気通信分野の標準化を行う電気通信標準化部門
  • ITU-D (ITU Telecommunication Development Sector):途上国に対する電気通信の開発支援を行う電気通信開発部門

 
 総務省では、これらITUの各部門に対する日本提案や会合対応方針等について、情報通信審議会(総務大臣の諮問機関)の情報通信技術分科会に設置されたITU部会関連委員会 等において審議等を行い、国際標準形成過程の議論に積極的に貢献・寄与しています。
 また、国際標準化活動においては、国内の任意規格を策定する国内民間標準化機関( 一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)一般社団法人電波産業会(ARIB)等)を通じて民間企業との連携を進めています。

アジア太平洋諸国との標準化の連携

 アジア・太平洋地域の地域的国際機関であるアジア太平洋電気通信共同体(APT: Asia-Pacific Telecommunity)には、アジア・太平洋地域の加盟国として日本を含む38か国、及び準加盟国・地域として4か国・地域が加盟しています。
 我が国では、APTにおける標準化に関する会合への参加をはじめ、我が国の拠出金を活用した標準化の研修や開発プロジェクトの実施等を通じて、アジア・太平洋地域の情報通信分野における標準化等に関する連携を強化しています。

国際共同研究を通じた標準化の推進

 研究開発段階から戦略的パートナーとの連携を通じた戦略的な国際標準化を促進するため、革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業を活用し、関係国と以下の国際共同研究を実施しています。
 
・日EU国際共同研究プロジェクト
研究開発プロジェクト名:
 ユーザセントリックな通信を実現するAIネイティブな無線ネットワークに関する研究開発プロジェクト
研究開発期間:
 最大3年間(2025年度〜2027年度)

 公募 公募結果
 
・日独国際共同研究プロジェクト
研究開発プロジェクト名:
 オール光ネットワークの高度化に向けたデジタルツイン技術及びそれを活用したネットワーク最適化・分析技術に関する研究開発
研究開発期間:
 最大3年間(2025年度〜2027年度)

 公募 公募結果

知財・標準化に関する調査・分析

 国際標準化は製品やサービスの仕様を国際的に共通化することで、国内企業の海外市場への参入を容易にし、大量生産による製造コスト削減や収益拡大を可能にします。一方で、知財は企業の技術やブランドを保護し、模倣を防ぐことで競争優位を確保しつつ、特許ライセンスなどによる直接的な収益源にもなります。特に、標準に組み込まれた特許を保有することにより、国際的な標準の利用に伴って安定したライセンス収入を見込めることから、知財と標準化を一体的に進めることが重要です。
 このような観点から、総務省では、情報通信分野における知財・国際標準化を一体的に推進するため、知財及び標準化の両面から以下の調査や分析を実施しています。
 
国際標準化に関する調査
2024年度 デジュール及びフォーラム標準に関する 標準化活動の推進に資する調査(抜粋)PDF

 注)個人情報を含む記載箇所等については適宜編集しておりますので、ご了承ください。


知財標準化に関する調査・分析(調整中)

標準化の人材育成・啓発等に係る取組

Beyond 5G新経営戦略センター

 Beyond 5G時代における知財活動・国際標準化を戦略的に推進していくため、組織・企業の「経営戦略」が重要との理念のもと、産学官が連携協力して2020年12月に「Beyond 5G新経営戦略センター」を立ち上げ、知財・標準化戦略等をリードする人材育成、産業連携の推進、意識啓発・情報発信に係る活動を展開しています。

標準化人材スキルの教育プログラム

国際標準化においては、実際に国際標準化に係る国際会議に参加し、標準化の提案や各国との交渉など標準化の策定に寄与できる人材が重要となります。情報通信・デジタル分野における国際標準化(ルール形成)人材の確保のため、その育成・確保に資する(1)スキルセットの開発、及びそれを活用した(2)教育手法(講習カリキュラム等)の整備、その教育手法が実効的に運用されるための(3)事業モデルの設計・構築及び(4)企業等による実活用・普及に関する取組を進めています。
 
令和6年度標準化人材スキルセット事業 調査概要PDF
 

情報通信分野の国際標準化機関における民間人材の基盤強化

 情報通信分野の国際標準化で日本の影響力を確保・拡大し、新たな市場の創造・拡大につなげるためには、我が国の国際標準化機関における民間人材の基盤を強化する必要があります。
 ITUの将来の議長・副議長等が期待される者の育成や大学・スタートアップ・中小企業等に潜在する標準化ニーズの発掘及び標準化活動に携わる人材の裾野拡大に向けて、標準化動向調査を通じた継続的な国際標準化活動の支援をしています。

ITU-T勧告に関連する各種申請・届出の受付

総務省では、ITU−T勧告に関連し、以下の申請・届出を受け付けています。

このホームページに関する問い合わせ先

国際戦略局通信規格課
電話:03−5253−5763

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