総務省では、重要な無線通信に対する妨害等を未然に防ぐため、専門的知識を有さない一般の利用者が入手しうる無線設備について、その電波の強さの測定を行い、無線局免許等を要さない範囲かどうかを確認する取組(無線設備試買テスト)を毎年実施しています。
今般、平成30年度における実施結果を取りまとめましたので、公表します。
1 取組の概要
電波を公平かつ能率的に利用するため、電波法では、無線局免許等の取得を求めています。ただし、発射する電波が「著しく微弱」(法令に定める一定の強度以下)の場合には、他の無線通信に対して妨害を与えるおそれがないことから、こうした義務を免除しており、多くの無線設備が何らの手続を経ることなく自由に利用されているところです。
しかし、今日の市場においては、発射する電波の強度が著しく微弱であると称していながら実際の強度が強く、かつ、我が国においては無線局免許を取得できない無線設備も販売されています。専門的知識を有さない一般の利用者がこれら無線設備を誤って購入して使用した場合、重要な無線通信に対して有害な妨害等を与えるおそれがあります。実際に、そのような事例は毎年発生しています。
このため、総務省では一般の利用者が入手しうる無線設備(注:ただし、我が国での一般的利用のために無線局免許等を取得できるものは対象から除外。)を実際に購入し、その電波の強度を測定し、「著しく微弱」の範囲を超えていないかを確認しています。
重要な無線通信への妨害等を未然に防ぐため、本取組の結果、「著しく微弱」の範囲を超える強度の電波を発射することが判明した無線設備については公表することとしています。
2 微弱無線設備の流通市場の動向
総務省が平成25年度から実施している無線設備試買テストの取組に加え、民間の自主的な取組として、平成27年以降に全国自動車用品工業会(JAAMA)及び電波環境協議会(EMCC)が、無線設備について、その発射する電波の強度が「著しく微弱」の範囲であるか否かを試験により明らかにし、登録・開示する取組(微弱無線設備登録制度)を実施しています。出荷状況等の詳細は
別紙1
のとおりです。
3 平成30年度無線設備試買テストの結果概要
市場から購入した200機種400台(1機種につき2台)を対象に測定等を行いました。結果は
別紙2
のとおりです。
4 製造業者等への要請等
測定の結果、1機種につき2台とも「著しく微弱」の範囲を超えた無線設備の製造業者、販売業者又は輸入業者に対して、混信その他妨害を防止するための措置について要請を行っています。具体的には、管轄の総合通信局等から関係事業者に対して、電波法に定める技術基準に適合しない無線設備を製造、輸入又は販売をしないことを求めています。
5 今後の予定
令和元年度も引き続き試買テストを行います。
今後も、関係団体との連携を強化し、安心・安全な電波利用環境の確保に取り組んで参ります。