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広島市で「最先端ICT利活用シンポジウム」を開催

〜新たなビッグデータ戦略への挑戦〜

 中国総合通信局(局長:黒瀬泰平)は、平成27年2月25日(水)、広島市内において、中国超高速ネットワーク連絡協議会及び中国情報通信懇談会と共催で、ビッグデータの利活用による活力ある地域社会の創生に寄与することを目的に、「最先端ICT利活用シンポジウム」を開催し、地方自治体、大学、ICT関連企業などから約70名の参加がありました。
 講演に先立ち、主催者を代表し、中国超高速ネットワーク連絡協議会の相原玲二 座長(広島大学情報メディア教育研究センター長)から「ビッグデータというキーワードは、約3年前、米国政府が発表した「ビッグデータ・リサーチ・イニシアティブ」という構想から生まれ、世界に衝撃を与えた。日本ではその直後から、従来、フォーカスが当てられていたクラウド技術にビッグデータやデータセントリックという概念を取り込み、本日、ようやく活用事例をご紹介できる段階に来たと実感している。」と挨拶がありました。
 シンポジウムでは、独立行政法人情報通信研究機構(以下、「NICT」と表記。) 執行役、兼ソーシャルICT推進研究センター副センター長 細川瑞彦 氏から「NICTにおけるソーシャルビッグデータへの取り組み」と題する基調講演が行われました。細川氏は、最先端の研究開発動向、利活用方策などについて触れ、「情報通信のパラダイムシフトにより、これからは、サイバー世界と現実の世界が融合し、新たな価値が創造されるフェーズに入る。社会課題の解決のためには、自治体、学術研究機関、企業などの連携協力が不可欠で、データの提供により利益を受ける側のニーズに寄り添い、研究シーズを活かす取組みが不可欠である。」と述べられました。併せて、NICTにおける研究開発事例として、様々な監視センサから収集した情報を省エネルギー、かつ、マルチホップ機能を用いて、容易に無線ネットワークで収集できるWi-SUN(ワイヤレス・スマートユーティリティ・ネットワーク)の取組みや、気象レーダーと携帯電話の混雑統計情報を重ね合わせ、降水域内の車や人の動きを把握して、防災・減災につなげる神戸市での実証実験の概要などが紹介されました。
 最前線の企業戦略紹介では、マツダ株式会社 技術本部パワートレイン技術部 エンジン技術グループ マネージャー 佐崎幸司 氏から「マツダのモノ造り革新とビッグデータ活用による更なる進化」と題し、SKYACTIVエンジンの生産工程におけるビッグデータを活用した取組みについて紹介いただきました。その中で、佐崎氏は、「SKYACTIVでは、生産技術から、お客様が感じることが出来る機能を向上させる提案を行ってきました。世界最高レベルの圧縮比を実現した量産エンジンの開発においても、燃焼室容積のバラツキを抑える工法を導入し、高圧縮比の実現に貢献しました。これは、これまでの量産データの蓄積から工程でコントロールすべき重要特性を見出し、フレキシブルな設備機能を活用することで、設備を追加することなく達成したものです。そして、SKYACTIVの量産段階では、生産技術からの機能提案の取組みを更に進化させました。お客様にとっては1台がすべてで、それに満足いただけなければ、ゼロという視点に立ち、クルマに求められる機能と1万種類にも及ぶ生産工程における因子との相関関係を把握し、造り方を変え、燃費機能を改善する取組みを継続しています。従来の設計図面通りにバラつきなく造るという考えから、お客様のためにより良い製品を造る、その為に、生産効率とのトレードオフをブレイクスルーするという考えに変革し、ビッグデータを積極的に活用してお客様価値を追究するという活動を展開している。」と述べられました。
 最後に、独立行政法人情報通信研究機構テストベッド研究開発推進センター テストベッド構築企画室 室長 住友貴広 氏から、同機構が運用する大規模研究開発用テストベッドネットワーク「JGN−X」の取組みについて説明があり、中国地方における広帯域・大容量映像の伝送実験や、災害・障害に強い分散システムの構築に向けた研究開発などの利活用事例が紹介されました。
 中国総合通信局では、今後も、中国地方の企業、自治体、学術研究機関等との交流を一層深め、産学官連携による活力ある地域社会の創生に努めて参ります。

 
【配布資料】
 ●基調講演
  「NICTにおけるソーシャルビッグデータへの取り組み」PDF【7,899KB】
   独立行政法人情報通信研究機構 執行役
    ソーシャルICT推進研究センター 副センター長 細川瑞彦 氏
 ●新世代通信網テストベッド「JGN−X」の取組紹介PDF【8,517KB】
  独立行政法人情報通信研究機構 テストベッド研究開発推進センター
    テストベッド構築企画室 室長 住友貴広 氏
 

PDF版はこちらPDF[526KB]


基調講演
(独)情報通信研究機構 細川瑞彦 氏 

最前線の企業戦略紹介
マツダ株式会社 佐崎幸司 氏 

 

連絡先
 情報通信部情報通信連携推進課/電話:(082)222−3408

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