A1電波は、テレビやラジオ、携帯電話、アマチュア無線といった身近なものから、警察無線や消防・救急無線、航空管制無線、鉄道無線などの公共的なものまで私たちの身の周りで幅広く利用されています。この電波をできるだけ多くの人が公平に、しかも能率的に使用できるようにするために、電波を正しく使用するルールが電波法により定められています。
A2電波を使用するためには、原則として総務大臣の免許が必要です。免許を受けない「不法無線局」から発射された電波は、警察無線、消防無線、防災無線など国民の人命、財産を守るために大切な役割を果たしている無線通信やテレビ、ラジオなどに種々の混信・妨害を発生させます。私たちの人命や財産を守り、多くの人が電波を安心して使用できるようルールを守りましょう。
A3国際条約と各国ごとに決めた電波の法律に基づいて、電波の使用方法が決められています。これは無線局どうしが混信して、通信が混乱しないようにするためです。日本国においては電波法に基づき無線局の免許制度が定められ、「電波の型式、周波数、識別信号(呼出符号など)、空中線電力など」を総務大臣が指定し免許していますが、免許を受けないで運用者が好き勝手な周波数の電波を出すと、正しく通信している無線局に混信・妨害を与え、混乱を招くことになります。
A4不法無線局は、大きく分けて、「不法市民ラジオ」、「不法パーソナル無線」、「不法アマチュア無線」の3種類に分類されます。「免許がない」、「免許が切れた」、「免許があっても、無線機に改造が施してあり指定された周波数以外の電波が発射できる」という方は、不法無線局になりますので、ただちに無線機及びアンテナなどを撤去して下さい。
A5国内で認められている市民ラジオは、電波の出力0.5ワットまで、周波数は27メガヘルツ帯8チャンネルまででハンディタイプ(本体とアンテナが一体のもの)の無線機です。必ず次のような認証マークが無線機に添付されています。このマークのない市民ラジオを「不法市民ラジオ」と呼んでおり、国内では使用できません。また、不法市民ラジオは無線機本体とアンテナが分かれており、周波数は72チャンネル程度、電波の出力は5ワット前後ですが、増幅器をつけてパワーアップして使用することが多く、中には1キロワット以上の出力を出す装置を使用しているものもあります。
A6船舶用無線を妨害し漁船などの緊急通信が困難となったり、電話中に突然、大きな人の会話が入ったり、テレビの画面・音声が乱れ視聴が困難となることがあります。また、パソコンなどの電子機器に妨害を与え、誤動作又は故障の原因となることがあります。
A7パーソナル無線には、操作資格はいりませんが無線局の免許が必要です。また、パーソナル無線に改造を加えて、電波の出力を大きくしたり、指定されたチャンネル以外の周波数での発射を可能にしたものが不法パーソナル無線です。不法パーソナル無線は「チャンネル固定可能」「スペシャル機能付」などといったキャッチフレーズで販売され、改造品の場合も認証マークがそのまま添付されています。(改造により認証の効力は失効します。)たとえマークがあってもこのような機器は国内では使用することができません。購入に当たって、注意が必要です。
A8携帯電話、災害時に使用する地域防災無線、MCA陸上無線に妨害を与えることがあります。
A9アマチュア無線は無線従事者の資格と無線局の免許の両方が必要です。また、両方そろっていても、市販のアマチュア無線機に改造を加えて電波の出力を大きくしたり、アマチュアバンド外で電波の発射を行うことは禁じられており、国内で使用することのできない輸出用のアマチュア無線機を購入する場合は、特に注意が必要です。なお、アマチュアバンド内では、バンドごとに使用できる電波の種類などが定められています。また、アマチュア無線は、仕事で使うことはできません。
A10アマチュアバンド外の好きな周波数を使用して交信していると思わぬところに混信・妨害を与えることがあります。例えば、消防・救急無線の無線に妨害を与えた場合、消防・救急車の現場到着などが遅れることがあります。鉄道用の無線に妨害を与え列車の正常な運行が困難となることや航空関係の無線局に妨害を与え、飛行機と管制塔との通信は遮られ、飛行機は飛行コースの指示が受信できない、着陸ができないなどということなどがあります。
A11最近の通信技術の進歩により安定した高性能な無線機器が比較的安価に入手できるようになり、多少の知識があれば無線機の改造を行って任意の周波数の電波が発射可能となり、簡単に仲間同士の通話用チャンネルなどを設定できてしまいます。
不法無線局を使っている人は、改造された無線機類を車両に設置し、仲間の通話チャンネルを設けて、道路情報の交換や暇つぶしの会話を楽しんでいるようです。
A12免許を受けないで電波を出すと、電波法第4条に違反します。不法無線局の取締りの際には、運転中に停止を求められ検挙されることがあります。また、不法無線局を開設したり運用したりすると「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられます。さらに、携帯電話などの電気通信事業、警察、消防、放送など公共性の高い無線設備の機能に障害を与えて無線通信を妨害した場合は「5年以下の懲役または250万円以下の罰金」と非常に重い罪に問われることがあります。
A13警察と協力した車輌の取締り、海上保安庁と協力した船舶の取締りなども行っています。また、電波監視施設(デューラスシステム)を活用した不法無線局の探査も実施しています。
A14違法局とは、正規な免許を持っている無線局が、違反をした場合をいいます。例えば、許可された空中線電力が5ワットのところ100ワットで運用した場合などは違法局となります。これに対して、不法局とは、免許を受けないで無線機器を使用する場合です。
A15次の担当まで文書または電話で申告してください。
電話による申告に当たっては、次の事項をお尋ねします。
A16特定小電力無線局というトランシーバータイプのものがあります。通信距離は数百メートルと短いけれど、小型軽量で11チャンネル対応機種もあるので、仕事やレジャーに便利です。
A17コードレス電話や特定小電力トランシーバー、市民ラジオなどを使うときは、必ず技術基準適合証明マーク(認証マーク)がついているかどうかを確認してください。携帯電話やPHSなど、いま誰もが気軽に使っている無線機にも認証マークがついています。
A18電波が届かない地下やビル内の店舗等でも携帯電話等を使用できるようにする装置は、そのほとんどが電波法で定められている「著しく微弱な電波」の基準に該当しないことが確認されております。携帯電話会社以外の方が許可なくこれらの装置を設置、運用された場合は、不法無線局として電波法の罰則の対象となります。
詳しくは、お知らせをご覧下さい。
A19最近、一部の店舗、通信販売業者、インターネット等において、外国から輸入された無線機が販売されております。また、外国で購入した無線機を国内に持込むケースも多くなっています。
その中には、日本の電波法令で定める技術基準に合致せず、使用すると電波法違反に該当する無線機があります。
詳しくは、お知らせをご覧下さい。
A20コンサートホール等での、携帯電話等の呼び出し音や通話を抑止する機能を備える機器、いわゆる携帯電話等の通信機能抑止装置は、使用するには無線局の免許が必要です。
詳しくは、お知らせをご覧下さい。
A21電波法では、300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波と定めています。
電波は電気と磁気から成り立つエネルギーであって、国際電気通信条約では、人工的導波体のない空間を伝搬する3,000ギガヘルツより低い周波数の電磁波と定義づけられています。
電磁波の存在は、1864年マクスウェルによって理論的に予言され、1888年ヘルツによって実証されました。電波の伝搬速度を毎秒Cメートル(光と同じ速度)、1秒間の振動数をf回(ヘルツ)とすると波長λは λ=C/f(メートル)で表されます。
A22電波利用の秩序を維持し、限られた電波の効率的な利用を確保するため、電波監視機関(国)が電波の監視を行っています。電波は広く空間に拡散するものであり、他面その需要が極めて大きいことから秩序と統制のもとに使用されなければ、混信のため利用不可能になると考えられ、とうてい効率的な利用を確保することはできません。このため、電波利用については、国際的には条約で、国内的には電波法令で詳細にわたって規定が設けられています。総務省では、発射されている多数の電波を昼夜を通して監視し、規定に違反する電波を捕捉して規正等の措置を行います。このほか、混信状況、電波の発射状況等の調査を行い電波の効率的な利用の確保に努めています。