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<テレワークを導入している企業に聞きました:VOL.2株式会社merchu>

働き方改革や新型コロナウイルス感染防止対策として注目されている「テレワーク」について、実際にテレワークを導入している企業にインタビューを行う企画の第2弾です。今回は株式会社merchu(本社:兵庫県西宮市、社員数:14名)の代表取締役 折田 楓 氏に自社の経験談(効果、課題、解決方法、感想など)について聞きました。

Q1)御社がテレワークを始めた時期・きっかけを教えてください。

 株式会社merchu(メルチュ)設立1年後の2018年10月、テレワークの導入にチャレンジし始めました。仕事と家庭を両立し、ワークライフバランスを向上させることで、従業員がより質の高いアウトプットが可能になると考えたからです。

写真:オフィスの風景:株式会社merchu提供資料
(オフィスの風景:株式会社merchu提供資料)

 弊社は、企画やデザイン業務などクリエイティブな業務がメインであるため、縛られない環境で仕事を行うことで、アイディアの幅を広げられる効果が期待できます。また、出退勤時間のロスとストレスを削減させることで、仕事に対するモチベーションの向上が期待できます。さらには、優秀な人材に加えて様々な人材の確保が可能になるとも考えました。子育て中の女性、フリーランスの方、遠方に住む従業員など、「人材のダイバーシティ」を実現させることで、弊社の提供できるサービスの幅が広がるメリットが期待できます。

 

 

Q2)新型コロナウイルス感染防止対策としてテレワークを実施されていますか?

 緊急事態宣言が発令された4月7日、全従業員(14名)がテレワークでの勤務形態に切り替えました。(テレワーク実施率100%を達成。)
 一方で、週に1〜2回程度、「自由出勤日」を設けています。出勤の必要性が高いと自己判断した従業員に、前日までに申請を提出してもらい、社長が認めた場合のみ、出勤可能としています。

Q3)テレワークを実施する上で特に課題に感じたことは何でしょうか?

 次の4つの点について、課題を感じました。
1.実働時間
 正社員、業務委託者、学生アルバイトの勤務日と勤務時間がそれぞれ異なるため、誰がいつ出勤なのか、誰にいつ連絡を取れば良いのか分からないという課題がありました。
2.タスクの管理
 勤務形態や勤続年数に応じてタスク処理能力に差があるため、手元の作業の進み具合が可視化できない点に課題を感じました。
3.コミュニケーション
 1.や2.などが原因で、遠隔コミュニケーションの難しさを感じるようになり、通常のオフィスワークでは起こらないミスが生じ始めました。
4.人事評価
 テレワークで業務を行う場合、成果のみでの人事評価になってしまうため、ミスが起こった際に評価に大きく影響することも課題だと感じました。

Q4)課題に対して、どのように解決されたのでしょうか?

 弊社では、zoomやasana、slack等の民間の市販のツールやサービスを活用することで、課題を解決しています。
 「1.実働時間」の課題に対しては、クラウド勤怠管理サービスやタスク管理サービスを利用しています。全従業員でカレンダーを共有し、それぞれの勤務日やスケジュールの見える化を行うことで作業がスムーズに進むようになり、管理者側のチェック負担も減りました。
 「2.タスクの管理」の課題に対しては、企業内チームコミュニケーションツールを活用し、プロジェクトごとの随時進捗の報告や、業務終了のタイミングにその日行ったタスク一覧を送付することを義務付けています。また、全従業員で共有するカレンダーにプロジェクトの締切日を入力するなど、全員が期日管理を意識できるような工夫も行っています。

写真:ビデオ会議の様子:株式会社merchu提供資料
(ビデオ会議の様子:株式会社merchu提供資料)

 「3.コミュニケーション」の課題に対しては、ビデオ会議提供サービスを利用しています。業務開始時間9:30に、その日勤務する全従業員でビデオ会議を必ず行っています。最初の10分間は「シェアハピ」と言う名の、最近あった嬉しかったことなどの共有時間を設けて、ざっくばらんとした会話から従業員同士のコミュニケーションを促進するように心がけています。その他の時間でも、プロジェクトごとに必要があれば随時集合し、画面共有機能などを活用しながら業務を行っています。
 「4.人事評価」の課題に対しては、コミュニケーションツールで随時進捗の報告を行うだけでなく、途中時点の成果物提出を義務付けることで、「過程」のチェックを行えるようになりました。特に、在籍日数の少ない従業員に対しては、「過程」も重点的な評価項目として評価するようにしています。

Q5)実際に御社でテレワークを実施された感想をお聞かせください。

 テレワークでの業務をスムーズに行うに当たって、常に「より良い環境作り」の追求を行うことが大切だと感じています。従業員などからヒアリングを定期的に行い、挙がってきた問題を解決するための、規則作りやツールの積極的な導入は欠かせません。その上で、個々が、自己管理意識や業務能力を上げていくことが重要だと感じています。

 さらに、日々のコミュニケーションなどを通じてモチベーションの向上を保てるようにできればベストだと考えていますが、こちらは今後の課題として取り組んでいきたいです。

Q6)テレワークを今から導入しようとしている中小企業に向けて一言、アドバイスやメッセージをお願いします。

写真:4省庁主催テレワークイベントにて:株式会社merchu提供資料
(4省庁主催テレワークイベントにて:株式会社merchu提供資料)

 テレワークの導入にあたっては、数々の工夫が必要ではありますが、結果的にはメリットの方が大きいと考えます。重要なのは、経営者側と従業員側の双方が「テレワークは有益である」と認識し、満足度が向上している点です。当初の目的であった、「ワークライフバランス」の向上にも実際に繋げることができていると確信しています。是非、弊社の導入事例をご参考にしていただきながら、今すぐチャレンジしていただければと思います!

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