AMラジオの受信障害対策

1 はじめに

ここではAMラジオを中心に受信障害対策を解説します。

建造物内における受信について
 戸建てからマンションなど鉄筋鉄骨RCの住居に転居したため、以前より受信状態が悪くなったと相談される方が増えています。
家電製品等が発生する電気雑音について
 マイコンやインバータ制御の家庭電化製品の増加に伴い、これらの製品の雑音防止機器の故障や機器そのものの特性により発生する電気雑音が増えています。

2 建造物内における受信改善方法

 マンションなど鉄筋鉄骨RC構造の建物の内部では、電波が届きにくくなります。

 部屋の中では、感度が悪いので、持ち運び可能なラジオの場合は、窓側に置いて聞きます。

 ラジオには感度の良い方向(指向性)がありますので、これらを組み合わせてなるべく良い状態で受信することをおすすめします。

 据置き型のラジオには、背面にAMラジオ用の枠型アンテナやバーアンテナが装備されていることがあり、このような機種では、枠型アンテナやバーアンテナの方向を調整し、感度を改善することができます。

 また、取り外し可能なAMラジオ用の枠型アンテナの場合は、アンテナを屋外やガラス窓付近に設置して受信することができます。

 FMラジオでは、付属のロッドアンテナをきちんと伸ばし感度の良い方向を探して受信するほか、ミニコンポやチューナーなど外部アンテナ端子がある機種では、屋外に設置したFMアンテナを利用することができます。

 なお、外部アンテナ端子がないラジオでも、ベランダなどに設置しラジオまで電波を届ける、外部アンテナが販売されています。詳しくはホームページなどでお調べいただくか、電器店やメーカーなどにお問い合わせください。

 ケーブルテレビ(CATV)により視聴されている場合は、FM放送の再送信しているケースもありますので詳しくは各事業者にお問い合わせください。

3 電気雑音の特徴

 一般家庭で使用される電化製品が、大変な勢いで増加しています。

 これらの製品は、本来、ラジオ放送などに強い雑音妨害を生じないように、一定のルールの元で設計・製造されています。

 しかし、電気製品内部の雑音を出さないようにする部品のみが故障することがあり、製品は正常に動作しているのに強い電気雑音を発生し、それがラジオ受信の障害原因になっていることがあります。

 家庭の電源ブレーカーの切断や周辺にある電化製品の電源を切ってみて、電気雑音がとまるかどうか個々に確認する必要があります。

原因となりやすいもの

障害がしばらく連続するもの(モーター類、ドライヤー、掃除機、電気ドリル、電気カミソリ等) 障害が間欠的に出るもの(サーモスタット類、保温ポット、ヨーグルト製造機、電気こたつ、電気アンカ、業務用冷蔵庫、水銀灯、蛍光灯等) 障害が長時間連続するもの(配電線、送電線、ネオン等)

その他
  • テレビ、ビデオ
  • CD/DVD-ROMなどのパソコン周辺機器
  • ADSLモデム、ルーター等ネットワーク関連機器
  • DVDレコーダー、プレーヤー等録画機器
  • 電話機、ファクシミリ
  • パソコン、テレビゲーム
  • インバータ式蛍光灯
  • 給湯器、空調室外機
  • マイコンジャー炊飯器
  • 充電器、アダプター等電源機器

4 発生源の探し方

  • 電気雑音が発生するのは、電気製品が働いているときのみですので、ラジオに雑音障害が発生しているときに調べる必要があります。
  • 電池式のラジオを持ち歩いて、特に雑音が強くなる場所がある場合は、近くにある電気製品の電源を切って、雑音が無くなるかどうかを調べます。
  • 電気雑音は、100ボルトの配電線を通じて拡がるので、発生源が分かりにくい場合があります。
  • 雑音の発生が短い場合は、数時間観察するなどして判断します。
  • 家全体のブレーカー、あるいは、部屋毎のブレーカーを切って調べる方法もあります。
    ご注意:ブレーカーを切る前に、次の点に注意してください。
  • 録画中のビデオやパソコンなど、停止手順が必要な機器は、事前に停止させてください。
  • タイマーなど、再設定が必要な電気製品があります。

障害源の見つけ方・解消策

(1)他のラジオやご近所の受信状態を聞いてみましょう。

 ラジオの故障か電波障害かがわかります。

お宅の電気器具が原因の場合は、お買い求めの電気店へ点検や修理を頼んでください。

(2)障害の持続時間や発生時間帯を調べましょう。

 障害源の機器の推定ができます。

(例) 連続・・・送電線
間欠的・・・業務用冷蔵庫など

(3)携帯ラジオやカーラジオなどを使って調べることができます。

 障害の強いところに原因があることが多い。意外に、ご自分の家の中にあることも多い。

 機器の所有者や使用者に早めに申し出ましょう。

(4)原因と思われる機器の電源を切って、障害が止まるかどうか調べましょう。

 送・配電線の場合は、電力会社などに連絡して、処理をお願いしてください。

5 原因機器が判明したら

原因機器の特定は、電源を切ることで雑音が止まることを何回か行い、間違いないかを確認します。

原因機器がわかったら、電気店などに相談のうえ、必要に応じて故障修理や部品の取り替えを行ってください。

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