近畿総合通信局は、近畿受信環境クリーン協議会との共催により、デジタル時代における放送の将来像、放送局のDXの取組事例、サイバーセキュリティ対策に関する放送技術セミナーを、12月19日(月)大阪市内の会場(大阪府立労働センター(エル・おおさか))で開催しました。当日は、放送事業者など60名を超える方々にご参加いただきました。
はじめに、総務省情報流通行政局 放送政策課の飯倉主税課長から、「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の取りまとめを踏まえた今後の放送行政について説明がありました。放送を取り巻く環境の変化に伴い、デジタル時代における放送の意義・役割が大きく変容する今、総務省として、放送事業者が中長期的な経営戦略を描くことのできる環境を整備する必要があるとし、放送事業者一つ一つの声に耳を傾け、マスメディア集中排除原則等の規制の見直しを進め、経営の選択肢拡大に努めると話しました。
次に、朝日放送グループホールディングス株式会社 DX・メディアデザイン局 主任の石田直之氏から、認定放送持株会社として初となる「DX認定事業者」の認定取得に至った背景や実際に認定を取得するまでの道のりについて紹介いただきました。DX認定制度とは、国が策定した指針を踏まえ、「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態」となっている事業者を認定する経済産業省の制度であり、DX認定を取得するためのプロセスの中で、デジタルと放送をどのように融合していくのか、社内で考えるきっかけとなり、今後の計画立案の道しるべになったとお話しいただきました。
最後に、グローバルセキュリティエキスパート株式会社 取締役 西日本支社 支社長の三木剛氏から、近年のサイバー攻撃の巧妙化・頻発化やICT・テレワーク利用拡大を受け、従来の「社内ネットワークの中は安全である」という考え方から、「信頼できるネットワークは存在しない」というゼロトラストネットワークの考え方に基づくセキュリティ対策に移行する必要があり、また、DXと表裏一体でセキュリティ対策を進めていくことが重要であるとお話しいただきました。
会場では、「第55回(令和4年度)受信環境クリーン図案コンクール」入賞作品の展示も行われ、盛況のうちに終了しました。
講演の様子
「受信環境クリーン図案コンクール」入賞作品の展示