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「令和5年度 放送技術セミナー」を開催(2023.12.8)

2023年12月20日 掲載

 近畿総合通信局は、近畿受信環境クリーン協議会との共催により、デジタル時代における放送の将来像に向け、IP化・クラウド化を見据えた放送事業者の取組事例や、放送技術政策の最新動向を紹介するセミナーを、2023年12月8日(金)に大阪市内(KKRホテル大阪)で開催しました。当日は、放送事業者など60名を超える方々にご参加いただきました。

1 放送事業者の取組事例の紹介

 セミナー前半は、放送事業者によるIP化の事例についてご紹介いただきました。
 はじめに、日本放送協会大阪放送局の大和氏から「IPを活用した連絡系システムの開発〜中継現場でのコンパクトな運用を目指して〜」と題し、中継に必要なコーディネーション連絡などの連絡系を少ない機材で容易に構築できることを目指して開発された、パソコンやスマートフォンがあればブラウザ上で動作する連絡系システムについてご紹介いただきました。大和氏は「IPを活用した連絡系システムは、円滑な連絡を可能にし、複数の機材が有する機能をスマホ1つに集約できる。今後更なる改良を重ね、本運用を目指していきたい。」と話しました。

日本放送協会大阪放送局 大和氏

 次に、朝日放送テレビ株式会社の山下氏から「リモートプロダクションを活用した簡易配信中継について」と題し、限られた条件の中でも質の高い中継を行うため、様々な映像伝送規格を活用し、IP化により効率的にセッティングしたリモコンカメラや定点カメラにより少人数で運用できるシステムについてご紹介いただきました。山下氏は「IP化によるメリットはたくさんある。最初は複雑そうに思えても、実際に使用していく中でその利便性や課題がイメージできるようになる。柔軟に構成を組める性質上、案件に合わせて適切なリソースを選択することが必要。」と話しました。

朝日放送テレビ株式会社 山下氏

2 放送技術政策の最新動向について説明

 セミナー後半は、総務省情報流通行政局 放送技術課の山口課長から、最新の放送技術政策の動向について説明がありました。放送を取り巻く大きな環境変化とデジタル時代における放送の意義・役割、それらを踏まえ取りまとめられた将来像に基づく放送法等の改正、マスター設備のIP化・クラウド化とそれに伴う安全・信頼性に関する技術的条件、地上デジタルテレビ放送の高度化や放送周波数の再編の取組に伴う周波数の有効利用等について紹介しました。山口課長は「放送分野においても、利便性向上・運用効率化・コスト低減等の観点から、マスター設備を中心にIP化・クラウド化・集約化がより一層進んでいく。」と話しました。

総務省 山口放送技術課長

 会場では、「第56回(令和5年度)受信環境クリーン図案コンクール」の近畿管内からの入賞作品の展示も行われ、盛況のうちに終了しました。

 近畿総合通信局では、今後もこのようなセミナー開催を通じ、放送の技術や施策等についての周知・啓発に取り組んでまいります。


<関連資料>

連絡先

近畿総合通信局 放送部 放送課
電話:06-6942-8566

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