近畿総合通信局は、奈良県下北山村と協同で、2024年11月13日(水)〜14日(木)の二日間にわたり、南海トラフ地震等の大規模災害に備えるために必要な情報伝達手段の確保について考える契機となることを目的として、防災訓練を実施しました。
一日目は、陸路による都市部からのアクセスが限定される山間地域において、災害により被災地への支援機器の地上搬送ルートが途絶した場合を想定し、陸上自衛隊中部方面隊第三師団との協定に基づくヘリコプターによる空路搬送訓練として、下北山村立下北山小中学校校庭におけるヘリコプター着陸対応や支援機器の積み降ろしを行い、下北山村役場職員への引渡しを行いました。
また、下北山村小中学校の生徒を対象に電波教室を開催しました。まず、近畿総合通信局の佐藤総合通信調整官より、携帯電話が普及している現在においても、災害時においては無線機が重要な通信手段となる等講義いただき、その後、デジタル簡易無線機を用いた通話等を体験していただきました。
二日目は下北山村役場職員を対象とした防災訓練が行われ、村役場に災害対策本部が設置された想定で、衛星携帯電話・防災無線等を用いて、奈良県へ無線機等の貸出支援要請、各避難所との情報伝達訓練を行いました。
その後、公民館にて、地域住民を対象にデジタル簡易無線機やLPガス式発電機等の操作を体験していただきました。
デジタル簡易無線局を操作する様子
LPガス式可搬型発電機の操作説明の様子
二日間の訓練を通じて、災害に対する事前の備えとして、必要な情報を確実に伝達するための通信手段の確保の重要性を改めて認識していただく契機になったと実感しました。
近畿総合通信局は、風水害や南海トラフ地震等の大規模災害に備え必要な情報を確実に伝達できるよう、今後も関係機関との連携強化を図り防災減災の取組を進めてまいります。
なお、今回の訓練に先立ち、JARL奈良県支部有志の方々の協力を得て、下北山村役場から上北山村役場間、下北山村小中学校までの電波伝搬試験を行い良好な結果を得ました。関係者の皆様ありがとうございました。