令和6年7月1日
東北総合通信局は、6月11日(火)、東北情報通信懇談会等との共催で「ICTフェア in 東北2024−デジタルの力を東北の力に−」をせんだいメディアテークで開催しました。
今年で19年目となる「ICTフェアin東北」は、毎年、情報通信の普及・振興を図ることを目的とした情報通信月間(5月15日〜6月15日)の取組の一環として実施しています。
東北地域においては、少子高齢化の進展や地域コミュニティの衰退といった地域課題を抱えており、それを解決するためには、持続可能な発展に向けたデジタル変革(DX)の促進が必要不可欠です。
本イベントは、DXを加速させるための取組やソリューションを広く情報発信するため、有識者等による講演、セミナー、トークセッションのほか、企業等の最新のデジタル機器等を紹介する展示を行い、多数の方々にご参加いただきました。
「ICTフェアin東北2024」の模様は、以下のとおりです。
主催者(東北総合通信局長)挨拶に続き、東北情報通信懇談会会長、東北六県商工会議所連合会会長 藤ア 三郎助 氏よりビデオメッセージ、東北経済連合会副会長 宮本 保彦 氏より挨拶をいただきました。
中沢 淳一 局長
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藤ア 三郎助 氏
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宮本 保彦 氏
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人口減少時代を乗り切って豊かな社会をつくるためには、DXの活用が必須の時代になっている。単に効率化をはかるだけでなく、より多くの方が社会づくりに参加いただけるインクルージョン(社会包摂)、住民間の助け合い、限りある資源の共同利用など、共助社会の構築に向けて必要なデジタル基盤を地域社会に構築し、その構築にあたっては全てにフルスペックを求めるのではなく、地域の求める利用方法に合わせて人口減少や厳しい財政事情にも柔軟に対応する発想が重要かつ必要であることをご講演いただきました。
今後の情報社会の進展には、HAPSなど宇宙・成層圏を活用したポスト5G通信の実現が重要であり、消費電力の低減に資するスピントロニクス省電力半導体技術について詳しくご紹介いただきました。将来のカーボンニュートラル社会に大きく貢献すると共に、ポスト5G時代に求められる宇宙・成層圏へのIT技術の拡張を可能にすることをご講演いただきました。
〈講演1〉
AIを活用したオンデマンド型公共交通システムによる 社会課題の解決について
講師
株式会社ドコモビジネスソリューションズ
東北支社ソリューション営業部門長
山田 広之 氏
岩沼市とNTTコミュニケーションズ、ドコモと共同で施策を行っている実証実験「岩沼AI乗合バス」についてご講演いただきました。
〈講演2〉
「自動運転実証調査事業と連携した路車協調システム実証実験」におけるNEC事例紹介
講師
日本電気株式会社
クロスインダストリービジネスユニット
クロスインダストリー事業開発部門
交通インフラDXサービス統括部 ディレクター
小島 佑太 氏
自動運転車両と連携する路車協調システムの実証実験について、システムの概要と、各実証地域での具体的な事例をご紹介いただきました。
〈講演3〉
秋田ケーブルテレビが目指すローカル5Gやワイヤレス・IoTを用いた地域DX
講師
株式会社秋田ケーブルテレビ
事業創生本部
石井 浩幸 氏
「ケーブルテレビが地域 DX の担い手になる!」という目標を掲げ、秋田ケーブルテレビの事例紹介と併せてこの先の施策についてご講演いただきました。
〈講演1〉
東北総合ポータル「topo」の取り組みについて
講師
株式会社東日本放送 デジタルコンテンツ戦略局長
萩原 秀一 氏
〈講演2〉
天気予報の作り方
講師
東北放送株式会社 報道制作局
tbc気象台気象予報士
今野 桂吾 氏
〈講演〉
医療における無線利用の実情と将来展望
講師
東北文化学園大学工学部臨床工学科 教授
相澤 康弘 氏
心臓ペースメーカー等最新の医療機器や医用テレメーター活用に関する課題を踏まえ、医療機関での電波利用やデジタル活用の重要性についてご講演いただきました。
〈講演〉
生成AIが創る未来
講師
国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT) フェロー
鳥澤 健太郎 氏
NICTで開発中の大規模言語モデルをはじめとする生成AIについて紹介し、生成AIがもたらすチャンスとリスク、そしてそのリスクに対処するための策について詳しくご説明いただきました。
生成AIでDX革命〜自治体や企業で生成AIをどう活用すべきか〜
〈モデレーター〉
株式会社MAKOTO Prime 代表取締役
竹井 智宏 氏
〈スピーカー〉
神奈川県横須賀市 経営企画部 デジタル・ガバメント推進室
村田 遼馬 氏
〈スピーカー〉
岩手県 ふるさと振興部 科学・情報政策室デジタル推進課長
舘本 真一 氏
〈スピーカー〉
宮城県岩沼市 教育委員会 学校教育課 指導係長
千葉 雄太 氏
「自治体や企業で生成AIをどう活用すべきか」をテーマに自治体、教育、企業、それぞれのお立場4名の方々に、生成AIの活用方法、課題や悩み、今後の展望などに関して熱く語っていただきました。
東北管内で早くから取り組んでいる岩手県では、リスクを踏まえたガイドラインを作成し進めていること、全国でいち早く生成AIを導入した横須賀市からは、逆にガイドラインは作らず自由な発想で取り組まれていること、そして岩沼市からは教育現場でも既に生成AIの活用が模索されていること、また、モデレーターの株式会社MAKOTO Primeからは企業での活用方法についても説明されるなど、様々な現場での活用方法について前向きに討論いただきました。
展示会場では、多言語翻訳ディスプレイ、8K3DCGデータ映像、水上ドローン、アバターロボット、臨時災害放送局の設備等の約30団体が出展し、仕事や生活に役立つ、最新のデジタル技術を紹介しました。
アバターロボットによるインタビュー
多言語翻訳ディスプレイのデモ
連絡先
東北総合通信局
情報通信部情報通信連携推進課
TEL 022-221-0609