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セミナーA−3:「住民への災害情報伝達の多様化に向けて」

【講演】「音声データ伝送に適応した無線センサーネットワークシステムの技術的条件に関する調査検討会」の報告
講師:岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 教授 村田 嘉利 氏

【講演要旨】

岩手県立大学の村田嘉利教授

岩手県立大学の村田嘉利教授

 過去の大規模災害においては、通信インフラも被害を受け、通信が途絶する事態が発生している。そのような事態においては、通信可能な状態にある通信ネットワークを利用してデータ通信だけでなく音声通信もできることが望まれる。
 920MHz帯無線センサーネットワークは、構造物のモニタリングや河川監視などの利用を主目的とするデータ通信インフラであるが、大槌町では防災無線のバックアップとして音声通信も可能としている。しかしながら、現在のセンサーネットワークは、データを伝送することを主目的に制度化されており、音声品質を確保するための音声コーデックやマルチホップ通信などが考慮されていない。そのため、今回、無線センサーネットワークシステムにおける音声データ伝送を可能とするための技術的条件について調査検討を行った。
 ラボ内試験を経て、大槌町でフィールド試験を行った結果、現在のデューティー比10%規定を20%程度とすることで、2ホップにおける2回線の通話がIP電話並みの品質で可能であった。
 920MHz帯無線センサーシステムに音声データ伝送を適用させるための技術的条件として、「現行のチャンネル別の周波数指定から範囲内で任意の帯域幅で送信可能な広域の周波数指定とする」「デューティー比を10%から20%に緩和する」「送信時間が0.05秒以下のAckの場合はキャリアセンスを不要とする」などの提言を行った。

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