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セミナーA-1: 基調講演 ロボット市場構築に向けた考察と提案
 〜コピーライターがロボットプランナーになった理由〜

講師: 株式会社電通 コピーライター
     電通ロボット推進センター ロボットプランナー 西嶋 ョ親 氏 

【講師の電通ロボットプランナー 西嶋氏】

【講師の電通ロボットプランナー 西嶋氏】

 電通ロボット推進センターはロボットに関する社内横断組織(ロボットクリエイター、コピーライター、アートディレクター等による)。ロボットと聞くと工場内で組立作業を行っている産業用ロボットが主流であるが、2025年は今回紹介するような生活空間で活躍するロボットが市場シェアで逆転し、2035年の市場規模は9.7兆円(現在の10倍)と推定されている。
 実際、ロボットに関する雑誌「週刊ロビ」の売上は200億円を達成(AIを搭載したロボットではなく、自作のロボット製作キットでこの規模)、マツコロイドを登場させた番組「マツコとマツコ」は視聴率12.6%を叩き出しており、不気味な存在であったロボットに対し興味を引く層を掘り起こしたと自負している。

 若田光一さんと宇宙旅行を楽しんだロボット宇宙飛行士「KIROBO」を開発したが、宇宙での最後の会話を交わす際、動作が不安定となる場面があった。動画を見ていた全世界の人は「別れを惜しんでいる」と当方から見れば良いように捉えられたものの大きな話題となった。
 若田さんの問い掛けに対し相槌を打ったり相手の発言をそのまま返したりするだけでも人間の感情に訴えかけたように、あえてローテクを使い古い技術の組み合わせでも、人に共感される仕組みを創り出すことが可能である。
 プロトタイプを起こし試行錯誤を繰り返しながら仕組みを形にする努力が必要である。KIROBOは工学だけでなく、デザイン学、心理学、哲学、法学、宗教学の領域まで含まれていると感じているところ。ロボットに頼るのではなく、既存の仕組みやシステムと組み合わせ「社会と自分の3m(メートル)周り」の両方を幸せにすること、またシステム的に正しくても世の中にとって本当に正しいのかどうかは分からないため、あらゆるジャンルの企業内又は企業間で連携すること、この2つが今後のロボット市場構築に向けて必要であると考えている。

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