平成26年7月8日
東北総合通信局は、7月3日(木)、盛岡市において「音声データ伝送に適応した無線センサーネットワークシステムの技術的条件に関する調査検討会(座長:村田 嘉利 岩手県立大学教授)」の初会合を開催しました。
本検討会は、東日本大震災において防災無線システムをはじめ通信インフラが津波により甚大な被害を受け、情報通信網の復旧にかなりの時間を要したことから、非常時に即応可能な通信インフラシステムの一つとして、920MHz帯の周波数を利用した無線センサーネットワークによる音声データの伝送の有効性とその構築を目的に開催するものです。
現在、920MHz帯無線センサーネットワークシステムは、主にデータ伝送に活用されおり、音声信号を伝送する場合は、音声データ信号の変換や音声コーデック、他システムとの干渉回避などの技術的条件の整理が必要となっています。
会合では、はじめに奥東北総合通信局長より「情報通信分野は飛躍的に進歩しており、最先端の技術を用いた利用者ニーズに合ったシステム構築が望まれている。検討会メンバーには、技術的な意見のほかにも、ネットワークシステムの利活用等多方面からの議論を期待したい。」と挨拶がありました。
続いて、事務局から本調査検討会設置について提案がなされ、岩手県立大学の村田教授を座長とする検討会の体制が確認されました。
挨拶する奥東北総合通信局長
その後議事に入り、身近に利用されている920MHz帯無線システムの利用形態と概要及び920MHz帯無線センサーネットワークシステムの利活用状況、ネットワークシステムにおける音声データ伝送の技術的課題について説明が行われました。
質疑では、音声伝送時の遅延や揺らぎなどの音声の通話品質、パケット廃棄率、デューティ比など技術的な検討事項に関する質問のほか、現状での電源確保やバッテリー稼働時間に関する質問が出され、システムによっては数年間の稼働が可能なものもあることが紹介されました。
調査検討会第1回会合開催模様
会場には、地元の報道機関が取材に訪れ、災害時における新たな通信確保の検討に期待が寄せられていることがうかがわれました。
今後は、実証試験やワーキンググループの作業を含めて5回程度開催し、平成27年3月末に報告書を取りまとめる予定です。
連絡先
東北総合通信局
無線通信部 企画調整課
TEL 022-221-0657