平成26年6月11日
東北地方非常通信協議会(会長 奥 英之:東北総合通信局長)は、6月5日(木)、仙台市において「平成26年度定期総会及び記念講演会」を開催しました。
定期総会は、はじめに、奥会長から「東北管内では、昨年7月から9月に集中豪雨などによる土砂災害、今年1月から2月には豪雪などによる大きな被害が発生している。非常事態に際して迅速に対応し、その被害の拡大を防ぐためには、円滑な非常通信の確保が肝心。本協議会は、日頃から災害発生を想定した非常通信ルートの見直しや訓練の実施、通信体制の整備を行うなど重要な役割がある。」旨の挨拶がありました。
奥東北総合通信局長 挨拶
その後、非常通信等の実施に関して功績のあった「国土交通省東北地方整備局湯沢河川国道事務所」、「東日本電信電話株式会社岩手支店」及び「七時雨アマチュア無線クラブ」の3団体に東北地方非常通信協議会会長より表彰が行われました。
受賞者からは、「この表彰を励みに、一層気を引き締めて非常時の対応をしていきたい」との謝辞がありました。
被表彰者の皆様
次に、総会議長が選出され議事に入りました。平成25年度事業報告、平成26年度事業計画(案)等について審議が行われ、「非常通信訓練の実施」、「非常通信体制の総点検の実施」などの提案について、全会の拍手により承認されました。
続いて、「マルチモードVSAT〜災害に強い無線通信ネットワークの構築へ〜」と題して、国立大学法人東北大学電気通信研究所の末松憲治教授による記念講演が行われました。
東日本大震災発災直後、携帯電話が輻輳し繋がらない状況があった中、衛星通信が活躍した事例を挙げ、この教訓を踏まえた災害に強い無線通信をどう構築していくか、東北大学が代表機関として取り組んだ「災害時に有効な衛星通信ネットワークの研究開発」の成果について説明されました。
開発された「マルチモードVSAT」は、ソフトウェアの切り替えにより複数衛星に接続可能であることが検証され、平常時、大災害発生時、複数避難所展開後など各シーンでの実証実験の結果と今後の課題について紹介されました。
講演終了後、質疑が設けられ「マルチモードVSAT屋内装置が携帯電話回線に繋がる仕組み」についての質問が出され、末松教授の丁寧な説明により参加者の理解を深めることができました。
平成26東北非常通信協議会総会開催模様
記念講演会の模様
参加者は、国の機関、地方自治体、放送・通信事業者などの防災関係機関から80名を超え、災害時の非常通信の重要性とその維持・運用への期待がうかがわれる講演となりました。
連絡先
東北地方非常通信協議会事務局
東北総合通信局無線通信部陸上課内
TEL 022-221-0682