平成26年6月6日
東北情報通信懇談会の平成26年度通常総会及び記念講演会が5月20日(火)、仙台市において開催されました。
通常総会の開会にあたり、鎌田宏(東北六県商工会議所連合会会長)会長から挨拶があり、「震災からの復興、人口減少や高齢化が進む地域の課題解決、地場産業の活性化、新ビジネスの創出などには、情報通信技術は必要不可欠である。東北地方産業競争力協議会が取りまとめた東北の成長戦略においても、地域コンテンツによる東北ブランドの情報発信、情報通信技術の連携促進等による産業インフラの強化、情報通信産業との融合やビッグデータ・オープンデータの活用を含めた総合的な戦略の展開が挙げられている。」と、ICT利活用の重要性を述べられました。
また、「懇談会としては、情報通信の発展に強い使命感を持った東北地方の産学官の力を結集し、引き続き東日本大震災と原発事故からの一日も早い復興、更には東北地域全体の安全な活力ある社会の実現に向け、積極的に活動をしていきたい。」との挨拶をいただきました。
来賓の奥東北総合通信局長からは、「東日本大震災から3年が経過し、今なお約26万人の方々が避難生活を余儀なくされている。被災自治体が進める復興街づくりに合わせた通信・放送基盤の整備や、被災自治体が抱える課題に対応したICT利活用の促進を図るとともに、災害発生時の情報収集や避難指示等が確実に行えるネットワークの強靭化等に取り組んで行く。そのためにも会員の皆様と連携し取り組んで行きたい。」と挨拶がありました。
開催挨拶 鎌田情報通信懇談会会長
来賓挨拶 奥東北総合通信局長
続いて、事務局から平成25年度の事業報告があり、東日本大震災により被災した地方自治体が抱えている課題など共通するテーマの意見交換やICTによる先進的なシステム導入事例を紹介した「ICT利活用東北サミットin気仙沼」の実施、また平成24年度に設置した「耐災害・復興検討WG」による岩手県山田町における「ICT復興街づくり計画」の支援など41の事業実施について報告がありました。
平成26年度の事業計画(案)では、災害に強い街づくり、復旧復興の加速化、地域活性化と発展に繋がる事業への取り組み、更には情報リテラシー向上のための各種イベントを実施するとともに、「耐災害・復興検討WG」による支援の継続、NICT耐災害ICT研究センター等と連携した「国連防災世界会議」における支援などの事業計画が提案され、満場一致により承認されました。
記念講演会講師 阿佐美 弘恭氏
株式会社NTTドコモ常務執行役員
スマートライフビジネス本部長
通常総会に続き、株式会社NTTドコモ常務執行役員スマートライフビジネス本部長の阿佐美弘恭氏により「新たなステージに向かうモバイルICT」と題して記念講演会が行われました。
講演では、携帯電話の登場以降、携帯端末、ネットワーク、機能等の進化などモバイル市場の概況を始め、発展の経緯、市場の動きが紹介されました。
新たなステージとしては、ネットワークの高速化、小型化による「技術革新による新たな市場の創出」、付加価値の向上・創出による「ICTによる事業構造の変革」、少子高齢化・環境エコロジーなど「社会的課題への対応と未来市場に向けた種まき」、また、M2Mやウェアラブルによる「リアルな場の付加価値の向上」など将来に向けた取り組みの視点等、モバイルICTの可能性について示唆に富んだ講演をいただきました。
講演会は、懇談会会員及び一般参加者を合わせて約150名の参加となり、関心の高さがうかがえました。
東北地方の産学官が結集する東北情報通信懇談会では、引き続き地域の特性に応じた情報通信の普及促進、情報通信の発展を目的に、産業経済活動の活性化等の事業に取り組んでいくこととしています。
連絡先
東北総合通信局
情報通信部情報通信連携推進課
TEL 022-221-0753