新型コロナウイルスに関しても様々な偽情報が発生していたが、このような偽情報は、どこから入手していたのであろうか。
ここでは、2020年2月末頃に流布した「トイレットペーパーは中国産が多いため、新型コロナウイルスの影響でトイレットペーパーが不足する」という偽情報に関して、どのメディアから入手したかを尋ねた(図表2-5-2-3)。
入手したメディアとして、最も多かったのは、テレビ(58.2%)で、続いてニュース配信(27.2%)、SNS(23.2%)、新聞(19.4%)が多かった。
続いて、最初に情報を入手したメディアを尋ねた7(図表2-5-2-4)。
最も多いのはテレビ(39.0%)で、続いてSNS(9.6%)、僅差でニュース配信(9.3%)の順に多かった。
令和2年版情報通信白書で述べたとおり、日本経済新聞等の分析によると、このトイレットペーパー買い占め騒動の発端とされた投稿はSNSでの投稿であったが、その投稿自体は全く拡散しておらず、ニュースサイトやTV番組で取り上げられ始めた結果、偽情報に関する投稿が急速に広まったとされる。
本調査結果においても、偽情報を最初に入手したメディアとしては、SNSだけではなく、テレビやニュース配信が多いことから、SNSをきっかけとしつつも、マスメディアやインターネットを利用したメディアで拡散されたと考えられる8。
7 グラフでは、最初に情報を入手したメディアとして挙げられた上位5つのメディア以外は、その他に集計している。
8 東京大学 大学院工学系研究科 鳥海不二夫教授「データから見るフェイクニュース」(プラットフォームサービスに関する研究会(第26回)説明資料)では、トイレットペーパーデマの実態を分析している。