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深川市における低周波音被害責任裁定申請事件(平成14年(セ)第1号事件)

事件の概要

 平成14年1月18日、北海道深川市の住民2人から、協同組合を相手方(被申請人)として責任裁定を求める申請があった。
 申請の内容は以下のとおりである。申請人は、被申請人が店舗に設置している空冷式冷凍機から発生する低周波音により、動悸、不眠、めまい等の症状が発生し、心身に異常を来し、また、転居を余儀なくされた。これらを理由として、被申請人に対し、損害賠償として、合計金1,113万円及び平成14年1月1日から自宅における低周波音の測定値が8Hzと40Hzの間で50dBを下回る日まで1か月当たり合計54万5,000円の支払を求めるというものである。

事件の処理経過

 公害等調整委員会は、本申請を受け付けた後、直ちに裁定委員会を設け、4回の審問期日を開催し、低周波音に係る音響分野の専門的事項を調査するために必要な専門家1名を専門委員に委嘱したほか、自ら現地に赴いて申請人宅及びその周辺における低周波音を含む騒音の状況を調査し、また低周波音を含む騒音の調査等を専門とする会社に委託してこれら騒音の測定・分析を実施するなど、鋭意手続を進めてきた。この結果、申請人宅周辺は、特に夜間においては大変静穏な場所であること、申請人宅内において、冷凍機の稼働・停止に対応して音圧レベルの変動が見られるのは100Hz帯であることなどの事実が明らかになり、また、審理を重ねるにつれて、それが当事者の共通認識となるに至った。
 このような審理経過を踏まえ、裁定委員会は、平成16年6月30日、本件については、当事者間の合意による解決が相当であると判断し、公害紛争処理法第42条の24第1項の規定により職権で調停に付し(平成16年(調)第2号事件)、裁定委員会が自ら処理することとし、7月7日の第1回調停期日において、調停案を提示したところ、当事者双方はこれを受諾して調停が成立し、同第2項の規定により責任裁定は取り下げられたものとみなされ、本事件は終結した。

成立した調停の概要

(1)被申請人は、3分の1オクターブバンド100Hz帯の稼働音対策を目的として、平成16年8月10日までに、被申請人店舗建物外にある冷凍室外機を、コンプレッサ部分については建物内機械室に、コンデンサ部分については同建物屋上クーリングタワー付近に移設・更新する。
(2)申請人らは、本件のその余の請求を放棄する。

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