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市川市における銭湯からの大気汚染・悪臭による健康被害等責任裁定申請事件及び同原因裁定申請事件(公調委令和3年(セ)第6号・(ゲ)第11号・令和5年(調)第12号事件)

事件の概要

 令和3年9月6日、千葉県市川市の住民1人から、申請人の元居住地宅近傍で銭湯を経営する者(被申請人A)及びマンションを建築する会社(被申請人株式会社B)を相手方として責任裁定及び原因裁定を求める申請がありました。
 申請の内容は以下のとおりです。責任裁定申請事件は、銭湯を経営する被申請人Aが、湯を沸かす薪窯で建築廃材等を使用して不完全燃焼を繰り返し、黒煙等の煤煙と悪臭やPM2.5を含む化学物質やガス等を発生、拡散させ、被申請人株式会社Bが施工するマンションの建設に伴って風速、風向、風圧が変化し、被申請人Aが発生させている煤煙・悪臭・ガス等が申請人の元居住地宅へ誘導された結果、申請人は、家具、壁紙、寝具、衣類等に臭いが吸着する被害、咳、肺がん等のリスクの増加、頭痛、めまい等の健康被害が生じたとして、被申請人らに対し、損害賠償金合計664万1380円の支払を求めたものです。
 原因裁定申請事件は、申請人に生じた咳、肺がん等のリスクの増加、頭痛、めまい等の健康被害等は、被申請人Aが経営する銭湯で建築廃材等を使用し不完全燃焼によるPM2.5を含む化学物質等の煙を排出し、被申請人株式会社Bが施工するマンションの建設に伴って風速、風向、風圧が変化したため、申請人の元居住地宅へ煙が誘導され、被害を拡大したことによるものである、との裁定を求めたものです。裁定委員会は、令和3年9月29日、これらを併合して手続を進めることを決定しました。

事件の処理経過

 公害等調整委員会は、本申請受付後、直ちに裁定委員会を設け、被申請人が経営する銭湯から不完全燃焼により化学物質等の煙を排出したこと等と申請人に生じた咳、頭痛等の健康被害等との因果関係に関する専門的事項を調査するために必要な専門委員1人を選任したほか、委託調査、事務局及び専門委員による現地調査等を実施するなど、手続を進めた結果、本件については当事者間の合意による解決が相当であると判断し、令和5年12月15日、公害紛争処理法第42条の24第1項及び第42条の33の規定により職権で調停に付し(公調委令和5年(調)第12号事件)、裁定委員会が自ら処理することとしました。裁定委員会は、同法第34条1項の規定に基づき、30日以上の期間を定めて両当事者に調停案を提示して受諾を勧告したところ、指定した期日までに当事者双方から受諾しない旨の申出がなかったことから、令和6年2月1日、同法第34条3項の規定に基づき、当事者間に調停案と同一の内容の合意が成立したものとみなされ、同法第42条の24第2項の規定により本件申請については取り下げられたものとみなされ、本事件は終結しました。

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