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稲敷市における土砂埋立てに伴う土壌汚染による財産被害等責任裁定申請事件(公調委令和元年(セ)第3号事件・令和2年(セ)第7号事件・令和5年(調)第6号)

事件の概要

 令和元年6月3日、茨城県稲敷市の宗教法人及び当該宗教法人の近隣住民12人から、土木関係会社、個人2人、砂利運搬業会社、稲敷市を相手方(被申請人)として責任裁定を求める申請がありました。
 申請の内容は以下のとおりです。土木関係会社が、申請人である宗教法人の山林の樹木を無許可で伐採し、山林及び申請人ら所有の共同墓地を無許可で埋め立てたため、土壌分析を行ったところ、ふっ素及びその化合物、水素イオン濃度指数が規制基準値を超過し、土壌の強アルカリ性により、樹木が枯死するなどし、また、当該宗教法人の近隣住民である申請人らの生活用水である井戸水が汚染されるおそれがあるとして、埋立てを実施した土木関係会社、現場指揮者2人、砂利運搬業会社及び無許可で埋め立てていることを知りながら埋立ての停止を命ずる等の適切な対応を行わなかった稲敷市を被申請人として、土砂の撤去費用等の財産被害及び井戸水汚染のおそれによる精神的苦痛を被っているとして、被申請人らに対し、損害賠償金合計2600万円等を連帯して支払うことを求めたものです。
 なお、令和2年7月28日、申請人ら3人から申請を取り下げる旨、また、令和3年11月11日、申請人ら2人から申請を取り下げる旨の申出がありました。
 令和2年9月7日、同市の宗教法人の近隣住民9人から、同一原因による被害を主張する参加の申立てがあり(公調委令和2年(セ)第7号事件)、裁定委員会は、同年10月28日これを許可しました。

事件の処理経過

 公害等調整委員会は、本申請受付後、直ちに裁定委員会を設け、被申請人らが埋め立てた強アルカリ性の土壌と申請人らが所有する樹木の枯死や井戸水汚染などの財産被害との因果関係に関する専門的事項を調査するために必要な専門委員2人を選任するとともに、委託調査、事務局及び専門委員による現地調査等を実施したほか、2回の審問期日(現地期日を含む)を開催するなど、手続を進めた結果、本件については当事者間の合意による解決が相当であると判断し、令和5年4月13日、公害紛争処理法第42条の24第1項により職権で調停に付し(公調委令和5年(調)第6号事件)、裁定委員会が自ら処理することとしました。その後、3回の調停期日を開催しましたが、当事者の主張や考え方に隔たりが大きく、今後調停を継続しても当事者間に合意が成立する見込みがないと判断し、同年6月29日、調停を打ち切り、同年10月31日、本件申請を一部認容、一部棄却との裁定を行い、本事件は終結しました。
 なお、裁定書の概要は、次のとおりです。

裁定書

 裁定書のPDFはこちらからご覧いただけます。PDF
 文中の固有名詞などには、「a」「aa」「△」等の記号に置き換えているものがあります。

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