神戸市における認定こども園からの騒音による健康被害責任裁定申請事件(公調委令和4年(セ)第9号・令和6年(調)第6号事件)
事件の概要
令和4年11月24日、兵庫県神戸市の住民2人から、社会福祉法人を相手方(被申請人)として責任裁定を求める申請がありました。
申請の内容は以下のとおりです。被申請人が申請人ら宅西側で運営する認定こども園において、朝から閉園時まで、受忍限度をはるかに超える騒音(園庭で遊ぶ園児の叫び声(金切り声))を恒常的に発生させたことにより、申請人Aは資格取得のための勉強ができないだけでなく、自律神経失調症を発症し、不眠、動悸、倦(けん)怠感、頭痛等の症状により安定剤の服用を余儀なくされるなど、耐えがたい精神的苦痛を被り、また、申請人Bも、就寝時以外の大半をリビングで過ごすため、精神的苦痛を受けていることから、申請人らは、被申請人に対し、騒音緩和のために自費で設置した二重窓の工事費用及び慰謝料として、損害賠償金合計310万円の支払を求めたものです。
事件の処理経過
公害等調整委員会は、本申請受付後、直ちに裁定委員会を設け、被申請人の運営する認定こども園からの騒音と申請人らが受けている精神的苦痛との因果関係に関する専門的事項を調査するために必要な専門委員1人を選任するとともに、事務局及び専門委員による現地調査等を実施したほか、1回の審問期日を開催するなど、手続を進めた結果、本件については当事者間の合意による解決が相当であると判断し、令和6年7月19日、公害紛争処理法第42条の24第1項の規定により職権で調停に付し(公調委令和6年(調)第6号事件)、裁定委員会が自ら処理することとしました。その後、1回の調停期日を開催するなど、手続を進め、令和6年8月9日、第2回調停期日において、裁定委員会が提示した調停案に基づき当事者双方が合意して調停が成立し、本件申請については取り下げられたものとみなされ、本事件は終結しました。
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