さいたま市におけるキュービクル等からの騒音・低周波音による健康被害等責任裁定申請事件(公調委令和4年(セ)第2号・令和5年(調)第13号事件)
事件の概要
令和4年4月28日、埼玉県さいたま市の住民2人から、高齢者施設経営会社、建築会社、建設コンサルタント会社、個人1人を相手方(被申請人)として責任裁定を求める申請がありました。
申請の内容は以下のとおりです。高齢者施設経営会社が、申請人ら宅南側に建築した有料老人ホームに設置したキュービクル(高圧受電設備)等から発生している低周波音を含む騒音により、申請人Aに、頭重感、食欲減退、めまい、動悸、不眠症等の深刻な健康被害が生じ、また、申請人Bは、日々騒音を受け続けるという形で平穏生活権を侵害されているとして、申請人らは、被申請人らに対し、精神的損害の一部として、損害賠償金合計500万円を連帯して支払うことを求めたものです。
事件の処理経過
公害等調整委員会は、本申請受付後、直ちに裁定委員会を設け、高齢者施設経営会社が申請人ら宅南側に建築した有料老人ホームに設置したキュービクル(高圧受電設備)等から発生している低周波音を含む騒音と、申請人らに生じた深刻な健康被害等との因果関係に関する専門的事項を調査するために必要な専門委員1人を選任するとともに、事務局及び専門委員による現地調査等を実施したほか、1回の審問期日を開催するなど、手続を進めた結果、本件については当事者間の合意による解決が相当であると判断し、令和5年12月22日、公害紛争処理法第42条の24第1項の規定により職権で調停に付し(公調委令和5年(調)第13号事件)、裁定委員会が自ら処理することとしました。その後、4回の調停期日を開催するなど、手続を進め、令和6年8月6日、第5回調停期日において、裁定委員会が提示した調停案に基づき当事者双方が合意して調停が成立し、本件申請については取り下げられたものとみなされ、本事件は終結しました。
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