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「平成25年度 ICT普及・研究開発推進セミナー」を開催

平成25年11月5日up

  北海道総合通信局は、地域社会づくりに貢献するICT(情報通信技術)の利活用事例や「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)」の研究開発成果を広く紹介するために、「ICT普及・研究開発推進セミナー」を開催しました。

特別講演

  今回、特別講演として、独立行政法人宇宙航空研究開発機構 教授 久保田孝 氏から「小惑星探査機『はやぶさ』の奇跡 − 成功に導いた ICT−」と題した講演がありました。
  「はやぶさ」は、小惑星「いとかわ」から『地表のサンプル』を地球に持ち帰るという困難なミッションを成し遂げた宇宙探査機ですが、その成功の陰には様々な苦労があり、これら数々の試練をどう乗り越えたのかをお話されました。
  宇宙空間で「はやぶさ」を見失うことのないようにするために、電波によるリモートセンシングを行いますが、度々の機器の故障により「迷子」になってしまいました。故障が発生するたびにスタッフは「機械は壊れるモノ、壊れたらどう対処するか考えるのが技術者」と言い聞かせ対応します。
  電波による通信が往復30分かかる途方も無い遠方で、通信が途絶えてしまい、ほぼ見つけることが不可能と思われる中、技術者の「必ず見つけ出す」という不屈の精神により、1カ月もの間諦めずに、応答の無い「はやぶさ」へ電波の送信を続け、ついには「はやぶさ」を見つけ出し、2010年6月13日、無事ミッションを成功させました。
  また、「はやぶさ」は開発段階に上砂川町の地下無重力実験センターで基礎実験を行っていたなど、北海道にも縁があることも写真を交えて披露されました。

 

久保田教授画像

独立行政法人宇宙航空研究開発機構 久保田教授

講演終了後、会場から多くの質問がありました。

SCOPE研究開発成果

  SCOPEの研究開発成果では、まず「平成24年度地域ICT振興型研究開発採択課題」として、以下の2課題について中間成果の発表がありました。
【研究課題1】
 「ICTを用いた北方型住宅向け再生可能エネルギー活用システムに関する研究開発」
  発表者:
  研究代表者
    釧路工業高等専門学校
     機械工学科 准教授 川村淳浩 氏


  省エネ性能に優れる北方型住宅に、太陽光エネルギー、暖房、給湯システム、環境制御システムなどを組み合わせ、ICTで管理し効率的な省エネを行うために、検証作業を進めている。

川村准教授画像

釧路工業高等専門学校 川村准教授

【研究課題2】
 「自律型健康増進・生活支援のための地域サポート技術の開発検証」
  発表者:
  共同研究者
    北海道薬科大学
    准教授 岡ア 光洋 氏


  ICTによる産学官が連携した社会事業と健康産業の育成、遠隔保健・遠隔介護、ICT保健医療について政策提言を目指し、市民、地域の薬局、大学の医療従事者の間で調査・検証を進めている。

岡ア准教授画像

北海道薬科大学 岡ア准教授

  次に、「平成23年度地域ICT振興型研究開発採択課題」として以下の3課題について発表がありました。
【研究課題1】
 「小型漁船群による海洋センシングとユビキタス漁業支援に関する研究開発」
  発表者:
  研究代表者 公立はこだて未来大学
    教授 和田雅昭 氏


  エビ漁・タコ漁を対象として,小型漁船の位置情報と漁獲情報を共有することで資源量と資源分布を可視化するICT漁業に取り組んだ。情報の入力と閲覧にはタブレット端末を用いており、多様な漁法への応用が可能である。
和田教授画像

公立はこだて未来大学 和田教授

【研究課題2】
 「山岳地域(登山道)におけるAR(拡張現実)を用いたスマートフォンフル活用のためのGPS・Wi-Fi 通信環境の研究開発」
  発表者:
  研究代表者 釧路根室圏産業技術振興センター
   総務企画課長 間瀬秀樹 氏


  スマートフォン利用者への観光情報等の発信を広げるため、長距離無線LAN機器のネットワークを構築し、雌阿寒岳登山ルートで実証実験を行った。
  今後は、スマートフォン等、スマートデバイスによる各種情報収集及び発信の確認などを継続して実施する予定。
間瀬総務企画課長画像

釧路根室圏産業技術振興センター 間瀬総務企画課長

【研究課題3】
 「寒冷地におけるヒートポンプ暖房制御システムの研究開発」
  発表者:
  研究代表者 旭川工業高等専門学校
  教授 小山 貴夫 氏


  蓄熱暖房装置と室温センサ、 気温予測をICTで連携させて制御することにより、少ないエネルギーで効率よく運転し快適な環境を提供する実証実験を行い、実用化に向けての課題を提起できた。
小山教授画像

旭川工業高等専門学校 小山教授

  今回紹介された研究開発の成果が、様々な形で実用化されることで、私たちのくらしや社会に役立てられることが期待されます。

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