テレビ・ラジオの「受信障害対策セミナー」や相談会などを開催
− 10月は「受信環境クリーン月間」です −
平成25年11月15日up
「受信環境クリーン月間」をご存じでしょうか。
テレビの画面が乱れる、ラジオ放送に雑音が入るなどの「受信障害」。その防止についての知識を広く普及させるため、10月を「受信環境クリーン月間」として定め、当局と北海道受信環境クリーン協議会が連携して、毎年、周知・広報活動を行っています。
今年度は、テレビ・ラジオCMやポスター掲示などの取組のほか、以下のイベントを開催しました。
「受信障害対策セミナー」を開催
10月25日(金曜日)、地上デジタル放送の安定受信と放送等の電波障害への対策に関するセミナーを開催しました。
1. 演題:「車載受信機による地デジ安定受信について」
講師:パイオニア株式会社 研究開発部第9研究部 研究2課 主任研究員 阿部 義徳(あべ よしのり) 氏
 地上デジタル放送を見る場合、放送局に向けてアンテナを固定することで安定した映像を受信する事ができます。しかし、移動しながら受信する車載受信機では、アンテナ方向を固定できません。また走行の邪魔にならないよう小型のものやフィルム型アンテナが使われています。
講師からは、複数のアンテナを設置して信号を処理する「ダイバーシティ受信技術」、車内のクーラーやワイパーなどや近隣の工場の近くなどで発生する電気信号のノイズ、いわゆる「環境雑音対策」を中心に、移動しながらも良好に放送を受信する最新技術について説明いただきました。
2. 演題:「解決困難な電波障害の事例と分析」
講師:総務省関東総合通信局 電波監理部 電波障害分析課長 畠山 忍(はたけやま しのぶ)
 近年、テレビやラジオに加え、携帯電話や無線LANなど、様々な通信方式の機器が加速度的に普及しています。
電波の利用が拡大する一方、通信技術の高度化、多様化は、これまでにあまり例のない電波障害を招く場合があります。また日常生活には多くの電子機器が存在し、一部には電波障害の原因となる事もあります。
関東総合通信局電波障害分析課では、前述のような特殊な電波障害事案の原因分析を行ってデータベースを蓄積しています。これらの情報は全国の総合通信局で共有され、解決困難な電波障害の調査業務を支援しています。
講師からは、これまで蓄積された電波障害の様々な事例について紹介がありました。
「受信環境クリーン図案コンクール」入選作品の展示
受信環境クリーン中央協議会及び地方協議会が全国の中学生を対象に、テレビ・ラジオの受信障害の防止に関する図案を募集するコンクールを開催しました。
年度は、全国の298校から2,983点、うち道内からは16校から355点の応募があり、
が選ばれました。
これらの入選作品は、受信環境クリーン月間中、道内7カ所で展示しされました。
また、道内の入賞作品のうち、札幌地区の9作品の受賞者(いずれも札幌市立向陵中学校)に対し、11月6日(水曜日)北海道放送株式会社の放送スタジオにおいて、北海道受信環境クリーン協議会 会長 深瀬 信彦(北海道放送株式会社 技術局長)から、表彰状が授与されました。
放送局を訪れた生徒たちは、放送設備やスタジオ見学を行い、普段テレビの画面を通してしか見ることのない出演者やセットを間近で体験し、皆さん感激していました。

中央協議会奨励賞
函館市立桐花中学校 1年
田近 聖奈 さんの作品

深瀬会長と札幌市立向陵中学校の受賞者の皆さん
受信相談会の実施
10月16日(水曜日)及び17日(木曜日)の2日間、札幌駅前通地下歩行空間「憩いの空間」において、テレビ放送、ラジオ放送に関する受信相談会を実施しました。
会場では、
- 雨が降るとテレビが見えなくなることがある。
- 以前見えていたチャンネルが突然、見えなくなった。
- 自宅前の駐車場の乗用車がエンジンを掛けるとテレビにノイズが入る。
などの相談がよせられました。
また、「受信環境クリーン図案コンクール」入選作品の展示を合わせて行い、地下歩行空間を通行される方々が立ち寄り中学生の力作に感心していました。
地下歩行空間での受信相談会の様子
特別アマチュア局による周知
受信環境クリーン月間を記念し、一般社団法人日本アマチュア無線連盟が特別アマチュア局(コールサイン「8J8CLN」)を開設・運用し、受信環境クリーン月間の周知を行いました。
参考
- 「北海道受信環境クリーン協議会」とは、昭和26年1月に設立され、全道6地区(道北、函館、室蘭、帯広、釧路及び北見)に各連絡会を設け、国、地方公共団体、放送事業者、電力事業者 及び電気機器販売事業者等により構成されています。
- 「受信環境クリーン月間」とは、北海道受信環境クリーン協議会 を含む11の地方協議会の中央機関である「受信環境クリーン中央協議会」
が毎年10月1日から10月31日までの間を「受信環境クリーン月間」と定め、全国各地で放送電波受信障害防止に向けた活動を集中的に展開する活動期間で、昭和30年(1955年)から毎年実施しているものです。
ページトップへ戻る