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早期の実用化が望まれる
「無線式携帯型心電計を利用した乳牛の血中カルシウム濃度解析システム」

− 「ICTを活用したセンサモニタリングシステムに関する説明会&見学会 −

平成27年3月24日up

  北海道総合通信局は関係機関との共催で、3月4日(水曜日)に、「無線式携帯型心電計を利用した乳牛の血中カルシウム濃度解析システムの研究開発」についての説明会と見学会を帯広畜産大学 畜産フィールド科学センターにて開催しました。
  この説明会は、当局が開催した「北海道地域ICT活力推進会議」別ウィンドウで開きますが取りまとめたICTプロジェクトの地域展開モデルの一つであるとともに、総務省の「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)」別ウィンドウで開きます研究開発課題でもあり、北海道の主要産業の一つである酪農において、ICT分野の利活用による効率化を支援したものです。

  今回の説明会と見学会には、情報通信関連メーカー、獣医畜産機器メーカー、獣医師、酪農家、研究者等40名が参加し、はじめに当局 情報通信部長 土屋 正勝(つちや まさかつ)から「北海道における地域経済の低迷や人口減少、高齢化などの問題解決のために、今回の研究開発を実用化に結びつけることが大切と考える。当システムの北海道での普及のために、活発な情報交換、意見交換を行ってほしい。」との挨拶がありました。

  続いて、当研究代表者の国立大学法人帯広畜産大学 臨床獣医学研究部門診療治療学分野 助教の伊藤 めぐみ(いとう めぐみ)氏から、道内では年間、出産前後の乳牛約4万頭が起立不能に陥り、そのうち約4千頭が死亡しており、生乳生産量の低下や治療代、乳牛調達コスト等に道内だけで年60億円の損失がある。この問題を解決すべく、乳牛の起立不能の発症原因の一つである低カルシウム血症の早期治療のための研究内容の発表があり、分娩後3日以内であれば、血液採取すること無く、心電図STc間隔から血中Ca濃度を簡易・短時間に測定が可能であることが説明され、この後、牛舎で実際に見学していただくので、使用する際の改良点などがあれば是非ご意見をいただきたいとの説明がありました。

説明する帯広畜産大学伊藤先生画像

  その後、牛舎へ移動し乳牛に電極を付けて、実際にタブレット端末に心電計の波形がBluetooth(Ver2.1+EDR Class2)により無線送信され、測定データが乳牛の体動にも影響されないこと、解析ソフトウエアにより血中Ca推定値が表示されることを確認しました。

牛に取り付けたセンサのデータを測定する画像
データを表示したタブレット画像

  最後に行われた意見交換では、見学会を通して、システムの有効性について確認できたことや実用販売のための手法や課題について、活発に意見交換され、「30万円くらいまでなら購入してみたい」、「実用販売の前に是非使ってみたい」という意見が出されるなど、早期の実用化が望まれる結果となりました。

<参考>

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