平成27年6月24日up
北海道総合通信局は、情報通信月間参加行事として、一般財団法人日本データ通信協会、一般社団法人テレコムサービス協会北海道支部及び北海道テレコム懇談会との共催により、6月4日(木曜日)に、札幌アスペンホテルにおいて「電気通信事業分野における個人情報保護セミナー」を開催しました。
個人情報保護法の全面施行から10余年が経過しましたが、未だに各分野にわたり、個人情報の流出・漏えい事故等が発生しており、保有する個人情報の取扱いには、より一層の注意が求められます。
その一方で、個人情報や様々な情報の集合体であるビッグデータが利活用され、新産業・新サービスを創出し、日本経済へも大きく貢献しています。
そうした背景から本セミナーでは、関連する2つの内容について講演を行いました。
講師:慶応義塾大学総合政策学部 教授 新保 史生(しんぽ ふみお)氏
<講演概要>
 パーソナルデータとは、個人に関する情報のことであり、特定の個人を識別することができる個人情報よりも、広い意味を持ちます。
ビッグデータ等に含まれる、パーソナルデータを利活用することで、経済の活性化につながることもありますが、利用方法によっては、個人を特定されてしまう可能性があります。
そのため、現在、審議中の個人情報保護法改正案では、個人情報の定義をより明確化し、例えば、携帯電話番号や顔認識データは個人情報であると位置づけ、パーソナルデータの中の個人情報を保護できるようにしています。
また、その他にも、個人情報の保護を強化するために、個人情報取扱事業者同士が、特定の個人を検索できるように体系化された個人情報データベース等を受渡しする際には、その受渡し年月日等の記録を作成し、一定期間保存しなければならない規定が整備されました。
さらに、個人情報保護委員会の新設並びに権限に関する規定を整備することで、これまで主務大臣がもっていた権限を個人情報保護委員会に移管し、個人情報保護の監督役としての役割を一元的に担うこととしています。
講師:一般財団法人日本データ通信協会 電気通信個人情報保護推進センター
所長 小堤 康史(おづつみ やすし) 氏
<講演概要>
電気通信個人情報保護推進センターが行った、個人情報の取扱いに関するアンケート結果から、電子メールの使用ルール作りや記録媒体の持ち出しの安全管理措置は行われているものの、不正行為のモニタリングについては、不十分であることがわかりました。
また、委託先の個人情報の取扱いに関する監督についても、不十分であり、これらを解決していくことが今後の課題となります。
現在、改正を行っている「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」は、これらの課題を踏まえたものになっています。