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電波による屋外の遠隔監視や機器制御のためのデータ伝送実証試験を公開
− テレメーター・テレコントロールの高度利用に関する調査検討会 −

平成27年11月11日up

   平成27年10月21日(水)岩見沢市において、「テレメーター・テレコントロールの高度利用に関する調査検討会」の公開実証試験を、実演会(いわみざわ公園(バラ園))と説明会(岩見沢市自治体ネットワークセンター)の2部構成で開催しました。
   農林水産業は北海道の主要産業でありながら、広大な面積を有するが故の課題のほか、現状としては、担い手不足、高齢化、国際競争力の激化などの多くの課題を抱えています。
  これらの課題を解決するため、ICTを活用した産業の効率化と高度化に向けた取組が進められていますが、中でも、各種センサーやカメラ画像により収集したデータの活用や機器の遠隔制御等、カバーエリアも広く、低価格で導入可能な「広域帯テレメーター・テレコントロール」は、様々なフィールドで活用が期待されており、実用化が望まれているところです。
  このような現状から、北海道総合通信局では、「テレメーター・テレコントロールの高度利用に関する調査検討会」を設置し、農林水産業のほか、非常災害時等での活用を含め、VHF帯の周波数を使用したシステムの技術的検証を交えた高度利用方法について調査検討を行っています。
   本公開実証試験は、この一環として実施したもので、定員を超える112名の参加がありました。

■実演会■いわみざわ公園(バラ園)

  圃場及びロボットトラクターの見学の後、次のような公開実証試験を行いました。

  • 子局(圃場を想定)− 親局(農家宅を想定)間のWi-Fi通信の確認
  • 子局(圃場を想定)− 親局(農家宅を想定)間の169MHz通信の確認
  • 中継局(UAV)を介した子局(圃場を想定)− 親局(農家宅を想定)間の169MHz通信の確認

(テレメーター・テレコントロール利用のイメージ)(テレメーター・テレコントロール利用のイメージ)

(無人ロボットトラクター)(無人ロボットトラクター)

(実証試験に使用したUAV)
(実証試験に使用したUAV)(実証試験に使用したUAV)

   圃場の無人ロボットトラクター(子局)に設置したカメラが撮影した画像を、約5km離れた親局でリアルタイムに受信する実証試験を行いました。
   親局と子局の間にある丘陵が障害となり、通常、電波では直接通信出来ない場所ですが、今回の実証試験では、中継局(UAV)を上空に飛ばし、丘陵より高い位置から中継することで通信可能になることを確認する事が出来ました。

■説明会■岩見沢市自治体ネットワークセンター

検討会の概要について

座長 大鐘 武雄(おおがね たけお)氏
(北海道大学大学院情報科学研究科
インテリジェント情報通信研究室 教授)
より説明。

   続いて事務局から、使用する周波数の変調方式、静止画・動画像伝送、地上と上空との電波伝搬特性など、これまで実施してきた実証試験の検討状況の説明を行いました。

大鐘座長(北海道大学教授)

講演1

「農業のロボット化と必要な電波利用」
北海道大学大学院
 農学研究院 ビークルロボティクス研究室
野口 伸(のぐち のぼる)教授


<講演概要>
  就業者人口減少と高齢化が進む日本農業には、ロボット技術の導入は不可欠であり、その実用化、普及にはテレメーター・テレコントロール、周辺環境の視認のための画像データの通信を行うための電波が最も重要と講演いただきました。

北海道大学 野口教授

講演2

「岩見沢市における農業分野でのICT利活用について」
  岩見沢市企画財政部 企業立地情報化推進室
黄瀬 信之(きせ のぶゆき)室長


<講演概要>
  岩見沢市は、農業経営体数が北海道管内で旭川市に続いて2番目に多く、また、稲作の経営耕地面積も全国的にも大きいという特性があることから、経営規模やコスト面での優位性をさらに高めるため、次世代農業気象システムやロボットトラクター等の活用環境整備など、ICTを用いたスマート農業の取組状況について 紹介いただきました。

岩見沢市 黄瀬室長

   説明会の会場では、実証試験で使用した無線機器やUAV等の展示も有り、参加者からは、テレメーター・テレコントロールシステムの早期実現や農業分野以外での活用への期待など、関心の高さや期待が伺えました。
   今後は、これまでの実証試験の結果等をもとに、平成28年1月末を目処に報告書を取りまとめることとしており、広帯域テレメーター・テレコントロールの新たな利用に向けた技術資料として役立てられることとなります。

<参考>

   「テレメーター・テレコントロールの高度利用に関する調査検討会」は、テレメーター・テレコントロールの高度利用に向けて、農林水産業のほか、非常災害時等での活用を含め、システムの技術的検証を交えた高度利用方法について調査検討を行うため、主な無線機器メーカー、通信事業、大学、自治体等により構成されています。

北海道総合通信局報道資料

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