平成28年4月27日up
セミナーの様子
吉見 氏
一方、道内では、過疎化や高齢化により、JRローカル線を始め、航空路、バスなどの交通機関において、経営や安全面等で様々な課題を抱えている。
今後は、航空と鉄道、バスあるいは軽量な路面電車(LRT)等様々な交通機関が連携してサービス提供を行えるよう、中規模のエリアをカバーする「運輸連合」を作ることが必要。今後は、ICTを活用した「情報」システムがその連携の主体となると考える。
松本 氏
情報の提供については、今まで様々なフィールドで試験を繰り返し行ってきた。その結果から、お客様の位置を特定するための技術として、位置情報の正確な検知が難しい「Wi−Fi」をあえて使用せず、「音波ビーコン」を採用することとした。これによりコストも削減され、安定したサービスが実現できている。
森 氏
公共交通では、利用者減少が続くJR富山港線を全てLRT(次世代型路面電車)に変更し、運行サービスの向上を徹底的に実施したところ、沿線への移住が進みつつある。また、市中心部に様々なイベントができる施設や美術館を建設、さらに色々な仕掛けでLRTの利用促進を図った。これらにより平成20年から人口の増加につながり、外出機会が増えたことで、健康面への効果も認められ医療費削減にもつながっている。
以上のような一連の政策で活躍したのがICT。ICTを利活用して街中や路面電車内等で、まちあるきの情報を発信。これにより、LRTの利便性が向上し、街の賑わいを創出するに至った。
過疎のスパイラルから抜け出すため何をやるのか、市民のQOLの向上、包括的な取組が必要。機動的な市の取組の中でICTは大変有効と考えている。
中川 氏
このバスは、全自動のシステムが特徴だが、利用者の多くが高齢者であるため、オペレーターを置き、見守り体制を用意し、運行計画を策定する際に「ICT」を活用した。
その結果、富山市と同様、高齢者の外出機会を提供することが出来、町内施設の利用率が向上した他、検診率の向上にもつながり、医療費の削減、高齢者の見守りにも寄与している。
今後も、ICT利活用の成果を周辺自治体も含めた地域の健康寿命の延伸に大いに活用していきたい。
米田 氏
県の調査の結果、青森観光の特徴は、団体型ではなく個人型で、ひとつのテーマにこだわったスタイルで旅行することがわかってきた。その対応策として、旅行者が現地入りした後の着地情報をオープンデータ化し、旅行者がホームページ上で行きたい観光地をランダムに選ぶと自動的にルートを作成できる「マイルートガイド」というシステムを開発した。
現在、観光情報連携プラットフォーム機構(ASIC)を立ち上げ、無料でこのシステムの提供を行っている。今後は、新幹線の開業する北海道でも着地点観光のツールとして展開していきたいと思っている。