北海道総合通信局では様々なシーンを想定して「VoiceTra」の活用に取り組んでいます。
10月には、北海道運輸局と連携した外国人旅行者の避難訓練を2回、実施しました。
平成29年10月3日(火曜日)、洞爺湖温泉のホテルで、ホテルスタッフの方々に協力いただき、有珠山の噴火を想定した、外国人観光客の避難誘導訓練を行いました。
訓練には、札幌や胆振管内から集まった英語、韓国語、中国語等を母国語とする留学生や在日外国人のボランティア24名が参加しました。
噴火の兆候を知らせるエリアメールの受信後、ホテルスタッフが「VoiceTra」をダウンロードしたスマートフォンを使い、館内放送で「エレベータを使用しないでください」「スタッフの指示に従ってください」等の避難指示を行いました。
またホテルのスタッフが、客室にいた外国人を迎えに行き、避難を促し、質問に回答する等の場面で「VoiceTra」を活用する体験をしました。
今回の訓練についてホテルスタッフからは、「日本人と同様に外国人にも同じ情報を提供することができた。火山とともに生きるまちとして、安心して観光に訪れてもらうことに、今後役立てていきたい」という感想をいただきました。
<洞爺湖温泉のホテルから避難誘導を受ける外国人ボランティア>
平成29年10月25日(水曜日)、札幌地下街オーロラタウンでの避難訓練において、外国人買い物客等を避難誘導する訓練を行いました。
訓練に参加した中国、台湾、韓国、バングラディシュ等11ヵ国の留学生を中心としたボランティア34名は、警察、消防等の関係者が見守る中、警備員が提示するタブレット端末にダウンロードされた「VoiceTra」の英語のメッセージに従って手際よく避難することができました。
避難に必要な文章をあらかじめ登録した警備員は、シチュエーションに応じた文章を「履歴」の機能を使用して繰り返し呼びかけていました。
「落ち着いてください。姿勢を低くして頭を保護してください。落ちてくるもの、倒れてくるものに注意してください」
「これから大通公園に避難します。前の人から離れないように注意してください。」と言った比較的長い文章も誤訳せずに翻訳することができました。
参加者の感想として、「VoiceTra」の翻訳は良く聞こえたが、本当の災害時にはパニックになると思うので、さらにリアルな設定がある訓練をすると良いのではないか?という意見も寄せられました。
<「VoiceTra」を使う警備員>
<外国のアナウンスを聞いて
安全な姿勢をとる外国人>
北海道総合通信局では、今後も多言語音声翻訳システムの普及に向けて様々なシーンでの活用を進めていきます。