北海道、泊村など12町村が主催する「平成29年度北海道原子力防災訓練」が、2月7日(木曜日)、8日(金曜日)の両日行われました。
2日目に行われた住民避難を中心とした実働訓練の中で、「外国人観光客等避難誘導訓練」が実施され、「多言語音声翻訳アプリVoiceTra(ボイストラ)(開発:国立研究開発法人情報通信研究機構)」が活用されました。
避難誘導訓練は、地震による発電所の事故発生後、暴風雪警報発令により屋内待機をしていた宿泊者が、天候が回復しバスで避難場所へ移動可能となったという想定で、留学生やボランティアなど約20名の外国人に協力いただきました。
訓練用の災害を告知するエリアメールと岩内町からの電話連絡を合図に、まず、岩内町内の宿泊施設のスタッフが、英語、韓国語、中国語であらかじめ登録しておいた「原子力発電所の事故についてお知らせします」「天候が落ち着いてきたので、皆さんに避難を始めていただきます」といった翻訳文章を館内放送で流しました。
宿泊者が荷物を持ってロビーに集合したところで、念のため再度翻訳文章を流すと、集まった外国人の方々は何度もうなずいていました。
訓練後に行われた関係機関の総括では、岩内町のリゾート関係者や隣接する自治体の観光協会から「外国人旅行者が急増している」「母国語のサービスをする必要性を感じる」などのコメントがありました。
タブレット端末の音声を館内放送している様子
館内放送をききながら移動する
外国人留学生やボランティア
北海道総通信局は、VoiceTraの実証実験結果が民間における多言語飜訳システムの開発やサービスの充実に応用できることから、今後も観光案内や医療現場などの様々なシーンでの活用事例を紹介していきます。