アナログ放送では、映像画面の症状によって受信電波の状態や受信不良の原因をうかがい知ることが可能でしたが、デジタル放送ではテレビ画面から受信不良の原因を把握することができません。
デジタル放送では、測定器を使用して受信電波の状態を正確に測定、把握、評価することが、安定受信の確保にきわめて重要なことから、測定器を所有し専門知識をもった電器店等への相談をお勧めします。
アナログ放送では電波の強さや受信障害の程度に応じて画質が少しずつ変化しますが、デジタル放送では受信限界になるまで、ほとんど画質劣化がなく、受信限界を超えたときに急激に画質が劣化します
(クリフエフェクト特性)。
図1にアナログ放送とデジタル放送の受信状態と受信画質の関係を示します。
図1 受信状態と受信画質との関係
※ 地デジ対応の機器(アンテナ、受信ブースター等)を使用しないと、受信機入力レベルが低下する場合があります。
施工時はデジタル放送が受信できても、安定受信の余裕度が少ないと、気象や地表の性質の変化の影響における電波レベルの変動や受信機器の特性変化により、受信できなくなることがあります。
地上アナログ放送では受信不良の原因によって画質劣化の症状が異なりますが、地上デジタル放送では原因にかかわらずブロックノイズや映像断の症状となるため、映像から障害の原因を特定することはできませんので、障害の発生状況別に想定される原因と対策事例を紹介します。