1 デジタルテレビ放送の「受信不良」
- デジタルテレビ放送の「受信不良」の原因には、「受信障害」と「受信設備の不良」があります。
- 「受信不良」の症状は原因にかかわらず、「ブラックアウト」又は「ブロックノイズ」になります。
2 デジタルテレビ放送の受信形態
デジタルテレビ放送の受信形態には、大きく分けて「個別受信」、「共同アンテナ(共同受信設備)」、「ケーブルテレビ」の3種類があります。
(1)個別受信
- 自宅のアンテナや受信ブースターの故障かな?と思ったときは、電気店、アンテナ工事専門店等に点検を依頼されることをお勧めします。
(2)共同アンテナ(共同受信設備)
- 共同アンテナの故障かな?と思ったときは、共同アンテナの管理者に連絡してください。
- 共同アンテナの管理者の連絡先は、町内会・自治会の役員の方や近隣の方がご存じのことが多いです。
- マンション、アパート、賃貸住宅等にお住まいの方は、管理会社や大家さんに連絡してください。
(3)ケーブルテレビ
- ケーブルテレビの故障かな?と思ったときは、ケーブルテレビ会社に連絡してください。
- ケーブルテレビ会社の連絡先は、領収証等をご覧ください。
3 デジタルテレビ放送の「受信障害」と「受信設備の不良」の見分け方
4 テレビ受信障害の原因をご自身で調べるには?
ご自宅で使用している身近な電気機器が原因の場合もありますので、映りの悪いテレビを見ながら、部屋ごとのブレーカー(配線用遮断器)を切ったり、各電気機器の電源プラグを抜いて(※)映りが良くなれば、その機器や関連している機器(接続している機器や連動している機器を含む)が原因の可能性があります。機器メーカーや設置業者などにご相談ください。
※電源を切ると設定がリセットされるなど、電源再投入後の動作に影響が出る場合がありますので、注意が必要です。また、電源プラグを抜き差しする際には、感電しないようご注意ください。
5 テレビ受信障害事例
事例(1) ブースター発振
- ◎症状の特徴
- 特定のチャンネルが映らなくなります。
障害は広範囲(100m〜1km)に発生することが多いです。
- ◎原因
- ご自宅か近隣宅で使用されているブースターの経年劣化や施工不良により、電波の異常発振が起こり、特定のチャンネルに妨害を与えます。
- ◎対策
- 経年劣化したブースターの交換、又は施工不良を改善
(電気店、アンテナ工事専門店等に点検を依頼されることをお勧めします。)
事例(2) 屋外照明(水銀灯)
- ◎症状の特徴
- 日没頃から夜間にかけて、一部または全チャンネルが映らなくなります。
症状は短い間隔で繰り返すときがあります。
- ◎原因
- 水銀灯の老朽により自動点滅器に影響を与え、本来は完全に点灯するものが動作が不安定となって点滅を繰り返し、点滅と同期して障害を与えます。
- ◎対策
- 水銀灯の交換(水銀灯の管理者に連絡してください。)
6 テレビ受信設備不良の主な原因
主な原因(1) アンテナ : 種類、設置位置・高さ
- ◎お住まいの地域に即した性能のものを使用されていますか?
- アンテナは、一般的に素子数が多いほど利得は高くなります。
送信所から離れるほど、その地域に届く電波は弱くなりますので、利得の高いアンテナの使用をお勧めします。
- ◎アンテナの設置位置は適切ですか?
- 設置場所や高さによって受信できる電波の強さが大きく変化することがありますので、全チャンネルが良好に受信できるように調整が必要です。
アンテナの前方に電波を遮る障害物があるときは、可能な限り、障害物を避ける場所に設置しましょう。
- ◎電気店、アンテナ工事専門店等に点検を依頼されることをお勧めします。
主な原因(2) 配線〜壁面テレビ端子
- ◎ケーブルの劣化や施工不良はありませんか?
- 性能が保証されていない古いケーブルでは、経年劣化により、高い周波数のテレビ信号が弱くなることがあります。
配線時にケーブルを極端に折り曲げたり、ケーブルを固定する際にケーブルの被覆を傷つけてしまったりすると、腐食しやすくなるほか、断線やショートの原因となります。
- ◎分岐器・分配器等の劣化又は施工不良はありませんか?
- 宅内でテレビ信号を分配する分岐器や分配器、テレビを接続する壁面端子に経年劣化や施工不良があると、受信不良となるときがあります。
分配器を使用せずに不適切な接続をしているときもテレビ信号が弱くなるため、受信不良の原因となります。
- ◎電気店、アンテナ工事専門店等に点検を依頼されることをお勧めします。
7 B-CASカード(ビーキャスカード)の不良による障害
「 B-CASカードを入れてください。」、「 B-CASカードを読み取れません。カードを抜き差ししても直らない場合はカスタマーセンターにお問い合わせください。」などの表示が出て映像が映らないときは、B-CASカードの接触不良の可能性があります。
このようなときは、まずテレビ本体の主電源を切り、テレビに挿入されているB-CASカードを抜き差ししたり、B-CASカードを取り出してICチップ部分を柔らかい布で拭いて元の場所に挿入したりしてから、テレビ本体の主電源を入れると復旧することがあります。
※B-CASカードを抜き差しするときは、必ずテレビ本体の主電源を切ってください。録画機の場合も同様に録画機本体の主電源を切ってください。
また、B-CASカードを挿入するときは、差し込む向きを間違えないようにしてください。
B-CASカードの装着場所が分からないときは、テレビの取扱説明書をご覧ください。
復旧しないときは、B-CASカードが故障している可能性がありますので、カスタマーセンターにご連絡ください。(テレビや録画機が故障しているときもあります。)
- カスタマセンター 電話:0570-000-261, IP電話:045-680-2868
(受付時間 午前10時〜午後8時、年中無休)
B-CASカードの例
8 電波の異常伝搬による障害
主な原因(1) スポラディックE層(Eスポ)
地上約100kmの高さに形成されている電離層をE層と呼びます。E層では短波(HF)帯の電波は反射しますが、 FM放送で使用している超短波(VHF)帯の電波や地上デジタル放送で使用している極超短波(UHF)帯の電波は突 き抜けてしまいます。
しかし、日本付近では春から夏にかけて突発的(スポラディック)に高い周波数の電波を反射する密度の高い層 が形成されることがあります。この層のことをスポラディックE層(Eスポ)と呼びます。
スポラディックE層(Eスポ)は昼間に発生することが多いのですが、夜間に発生することもあります。
スポラディックE層(Eスポ)が発生すると、外国のFM放送が聞こえたり、地上デジタル放送の電波が混信し てテレビが映らなくなったりすることがあります。
主な原因(2) ラジオダクト
特殊な気象条件のときに、水平に近い角度で発射された超短波やマイクロ波帯の電波が、ある高度範囲の大気中をあまり減衰することなく遠方まで伝わることがあります。このように電波を導く性質をもつ大気の一部をラジオダクトと呼びます。
ラジオダクトは、湿気の多い夏の夜間又は日の出頃に多く発生します。
ラジオダクトにより遠方まで運ばれた地上デジタル放送の電波が混信して受信障害が発生することがあります。
主な原因(3) フェージング
テレビの送信所から受信点までの距離が比較的長い場合に、電波が伝搬する通路又は通路上の大気の媒質が気象条件などにより変動することによって、受信電波の強さが変化し、安定して放送波の受信ができなくなる現象です。
送信所から直接到来した電波と海面・湖面・水田などで反射して到来した電波との干渉によって発生することが多いです。
【対策】
電波の異常伝搬による障害は、自然現象によるものですので、これといった対策の方法はありません。 しかし、指向性の鋭いアンテナを使用したり、ほかに受信可能な送信所がある場合にはその送信所を受信するよ うアンテナの向きを調整することにより、障害を軽減することができる場合があります。
テレビ受信障害の相談をする前に
テレビ受信障害の相談をする前に |
【相談の際には、あらかじめどのような受信形態なのか確認しておきましょう。】
□個別受信(アンテナ受信)、□共同アンテナ(共同受信設備)に加入、□ケーブルテレビに加入 など
(1)個別受信(アンテナ受信)の場合:受信ブースター使用の有無
※受信ブースターは、アンテナのマストに取り付けられていることが多いです。テレビの脇や天井裏にあることもあります。
自宅のアンテナや受信ブースターの故障かな?と思ったときは、電気店、アンテナ工事専門店等に点検を依頼されることをお勧めします。
(2)共同アンテナ(共同受信設備)に加入している場合:共同アンテナ(共同受信設備)の連絡先、受信障害の原因となっている建造物 など
※共同アンテナの故障かな?と思ったときは、共同アンテナの管理者に連絡してください。
共同アンテナの管理者の連絡先は、町内会・自治会の役員の方や近隣の方がご存じのことが多いです。
マンション、アパート、賃貸住宅等にお住まいの方は、管理会社や大家さんに連絡してください。
(3)ケーブルテレビに加入している場合:どこのケーブルテレビ会社に加入しているのか。
※ケーブルテレビの故障かな?と思ったときは、ケーブルテレビ会社に連絡してください。
ケーブルテレビ会社の連絡先は、領収証等をご覧ください。
【発生時期等の情報が参考になりますので、具体的な症状などを記録しておきましょう。】
(1)いつ頃から発生していますか?
- □テレビを見ていると急に発生した
- □今日から
- □二、三日前から
- □1週間ぐらい前
- □1か月以上前から
- □住み始めたとき( 年 月)から
- □分からない
(2)発生した時期に、ご自宅や周辺で変化はありませんでしたか?
例:新しい家電製品を使い始めた。自宅付近で工事が始まった。
(3)どのくらいの頻度で発生しますか?
- □毎日
- □二、三日の間隔
- □二、三日前から
- □1週間ぐらいの間隔
- □不定期
(4)発生する時間帯はいつですか?
- □一日中
- □早朝
- □午前中
- □正午前後
- □午後
- □夕方
- □夜
- □深夜
- □( 時 分頃〜 時 分頃)
(5)発生すると、どのくらいの時間連続していますか?
その他、具体的な発生状況は?
(6)発生するのはどのチャンネルですか?
地上デジタル放送
BS/CS放送
(7)テレビの画面には、どのようなメッセージが表示されていますか?
例:アンテナの設定や向きを確認してください。B-CASカードを正しく挿入してください。 など
(8)近所でも同じような状況ですか。
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確認が済みましたら、次のところまでお電話ください。
- 近畿総合通信局 放送部放送課 「テレビ・ラジオの放送受信相談窓口」(電話:06-6942-8567)
電話の受付時間は、平日の午前8時30分から正午まで 及び 午後1時から5時15分までです。
なお、電話が混み合っているためつながりにくいことがあります。あらかじめご了承ください。