近畿総合通信局は、12月1日に大阪市内で「防災情報通信セミナー2021」を開催し、風水害発生時の避難情報と住民の避難行動をテーマに講演会及び展示会を実施しました。
淵江局長あいさつ
講演会の模様
講演会では、まず、大阪管区気象台の山本善弘 氏より、「自らの命は自らが守る」と題して、防災気象情報の活用、近年の豪雨被害、様々な防災気象情報の見方や気象庁のホームページの活用方法などについて、説明がありました。各種の気象警報や注意報を発表する基準や、それらのメッセージがどの程度住民の危機に迫っている状況を示しているのかを正確に理解する必要性を感じさせる内容でした。
次に、株式会社ウェザーニューズの萩行正嗣 氏より、国家プロジェクトとして研究開発が進められている「防災チャットボット(SOCDA)」について、システムの概要と社会実装における成果と課題、展望等について、説明がありました。SOCDAは、SNS上で利用者と自動で対話し、防災情報の提供・収集を自動的に行うシステムであり、先行して導入している一部自治体の先進的な活用事例は参加者の高い関心を集めました。
最後に、関西大学の近藤誠司 氏より、「防災情報は、だれのもの?」と題して、防災情報の量的な増加や情報通信技術の高度化が、住民に身近なものとして受け止められておらず、防災情報からとるべき適切な行動に結びついていないとの問題提起がありました。防災情報を自分のものとしてリアリティがあるものとするために、京都府京丹波町等の取組事例を通して、みんなで「ともに」活用していくことが大切であるとの提言を受け、副題の「伝える」から「伝わる」情報とするためのヒントを得る機会となりました。
当日は、自治体や通信関連企業などから100名を超える方々にご参加いただきました。
また、展示会では、企業・団体11社が各種の防災関連機器や情報伝達システムを出展し、当局は、身近な災害情報を住民に伝達できる臨時災害放送局用設備の展示を行いました。会場内は熱心に説明を聴く方々で満たされ、改めて防災情報に対する関心の高さを感じることができました。
展示会の模様
臨時災害放送局用設備の展示模様