近畿総合通信局は、近畿地方非常通信協議会及び近畿情報通信協議会とともに、12月6日(火)に大阪市内の会場(KKRホテル大阪)において「災害対応は平時のソナエから」をテーマとした講演会と、防災関連機器の展示会を開催しました。開催に先立ち、近畿総合通信局長の井上より「情報通信は、防災や災害対応に欠くことのできないツールであり、様々な災害による被害を最小限に抑えるためには、平時から災害時の対応をよく考えておくことが重要である。」との挨拶がありました。
はじめに、総務省 総合通信基盤局の木村公彦電気通信事業部長から、本年の出水期における通信分野の被害状況、災害時における通信確保に向けた取組と最近の総務省の政策動向について、また、自然災害による通信サービス途絶の原因分析の結果を踏まえた関係制度の改正や訓練などを通して平時から災害発生時の対応について、関係機関とコミュニケーションをとっておくこと等により、国全体として、大規模災害発生時の通信手段の確保に努めているとの説明がありました。
次に、近畿総合通信局の武本圭史総括調整官から、南海トラフ巨大地震等の大規模自然災害を想定し、非常時に備えた関係機関との連携強化に向けた取組について説明があり、災害発生時において通信の確保のために地方公共団体等へ貸与する災害対策用支援機材のメニューや貸与実績について、また、これら非常時における支援が確実に機能するための平時からの備えとして、陸上自衛隊第3師団との支援機材・人員の空路搬送等に関する相互協力の推進、本年11月に実施した奈良県十津川村との協同防災訓練をはじめとする地方公共団体等との連携強化に向けた取組、防災・減災に関する周知啓発活動等について詳細な説明がありました。
最後に、和歌山県印南町 総務課 課長補佐の北村尚樹氏から、南海トラフ地震・津波等の災害対応におけるドローン活用に向けた取組や他分野でのドローン活用状況についてご紹介いただきました。印南町は、南西部が太平洋に面し、北東部が紀伊山地という地形のため、地震や津波の際に行方不明者の捜索や被害状況把握が行いづらいという課題を抱えており、2017年のドローン導入を契機に、行政職員30名で構成されている「印南町防災ドローン隊」の発足や飛行訓練の実施など、災害時に誰でもドローンを飛ばせる体制の構築を平時から行っているとお話しいただきました。
当日は、地方公共団体や通信関係者など50名を超える方々にご参加いただきました。また、展示会では、開催テーマに沿った展示を中心に、発災時に有効な防災情報伝達システムや各種防災機器から最新の機器を展示し、出展企業団体と参加者との間で防災・減災対策の整備の参考となる情報の共有が積極的に行われるなど盛況のうちに終了しました。
講演会場の様子
展示会場の様子
近畿総合通信局は、今後とも関係機関と平時から連携して、災害発生時の情報伝達や防災・減災の整備に資する情報提供に取り組んでまいります。