近畿総合通信局は、近畿受信環境クリーン協議会との共催により、放送を巡る最近の動向をテーマに、地方テレビ局が製作したコンテンツの発信の取組や、放送ネットワークの強靭化政策について紹介するセミナーを、2024年12月10日(火)に大阪市内(KKRホテル大阪)で開催しました。当日は、放送事業者など60名を超える方々にご参加いただきました。
セミナー前半は、放送事業者による地方テレビ局が製作したコンテンツの発信の取組についてご紹介いただきました。
はじめに、株式会社毎日放送の齊藤氏から「ローカルコンテンツは流通次第で新たな価値を生み出すはず!〜Local Contents Bank(LCB) ※実証実験のご紹介〜」と題し、地方テレビ局が日々製作・放送する地域の産品、流行、風物詩、文化、生活などの魅力が含まれたローカルコンテンツの重要性、また、その流通促進を目的とし、全国のローカルコンテンツを集め、整理し、有効利用できるようにする仕組みであるLCBの実証実験の内容についてご紹介いただきました。
齊藤氏は、「地方テレビ局が所有するローカルコンテンツは、地域の特色や魅力が詰まったものであるが、地域外への発信力に課題を抱えており、それらのコンテンツを整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることで、これまでにない新たな価値が創造できるのではないか」と話されました。
(※)Local Contents Bank(LCB):全国の地方テレビ局が日々放送している情報ワイド番組等の一部コーナーの切り出し動画について、最適なメタデータ(動画情報のテキスト化)を付与しながら一同に集めることで価値を高め、多くのテレビ局が集うスケールメリットを活かしながら、多様性のある動画コンテンツとして外部の配信プラットフォームやメディアサービスと繋ぐ仕組みのこと。
セミナー後半は、総務省 情報流通行政局 地上放送課の宗政企画官から、「放送ネットワークの強靭化政策」について講演がありました。冒頭、放送における重大事故の発生原因とその割合について、続いて災害時における情報伝達手段の多様化と、放送の役割について説明があり、能登半島地震等における放送分野の対応として、自身が経験した対応事例も踏まえ紹介するとともに、大規模災害が発生し放送・通信施設等が被災した場合における、各機関のリエゾン派遣による連携の重要性について話しました。
また、最後に、放送ネットワークの強靭化に係る財政支援施策等について、紹介しました。
会場では、「第57回(令和6年度)受信環境クリーン図案コンクール」の近畿管内からの入賞作品の展示も行われ、盛況のうちに終了しました。
近畿総合通信局では、今後もこのようなセミナー開催を通じ、放送の技術や施策等についての周知・啓発に取り組んでまいります。