近畿総合通信局は、近畿情報通信協議会との共催により、令和7年1月31日(金)に大阪市内にて「地域情報化セミナー 人口減少時代における持続可能な地方公共団体の体制づくりに向けて」を開催し、会場とオンラインで約475名の方にご参加いただきました。
冒頭、主催者を代表し、近畿総合通信局の藤田局長が「本日ご参加いただいている皆様は、様々な場面において、デジタル行政の実現を目指し悩んでおられると思うが、少しでも不安や疑問の解消につながることを願っている。本日のセミナーが、持続可能な公共サービスを考える上での一助となれば幸い。」と開会の挨拶を述べました。
神戸市企画調整局デジタル戦略部課長(情報政策担当) 尾田 広樹 氏から、内製化の推進や内製化の事例紹介、デジタル人材の育成、業務改革の取組等についてご講演いただきました。「経験者採用やジョブ型雇用により“生きた知識”を取り込みつつも、任せきりにするのではなく、プロパー職員もチームに加わって知識を蓄えた。」と創意工夫のポイントや業務改善の実践事例を分かりやすくお話いただきました。
株式会社電通総研サステナビリティソリューション部部長 森田 浩史 氏から、総務省の地域デジタル基盤活用推進事業(推進体制構築支援)を活用した兵庫県内の取組についてご講演いただきました。「伴走支援から見えてきた共通課題は『スキル』と『組織』であるが、兵庫県では市町のDXをリードするため県職員をリエゾンとして派遣することにより行政目線で支援体制の強化を図ったことが有効であった。また、外部の事業者を活用して、ノウハウを補完することも重要である。」と述べられました。
内閣官房デジタル行財政改革会議事務局次長 吉田 宏平 氏から、デジタル行財政改革の取組の基本的方針、地方創生2.0との連携、国・地方のシステム共通化、重要性を増すデータの利活用に係る課題への取組やデジタル行財政改革の今後のスケジュールについてご講演いただきました。特に、今後はデータ利活用について法整備を含め検討していく方針とお話いただきました。
デジタル庁 チーフクラウドオフィサー(CCO) 山本 教仁 氏から、デジタル庁が整備・提供する、国・地方公共団体や準公共分野等において共通のクラウドサービスの利用環境であるガバメントクラウドの概要や利用の考え方、コスト削減への運用イメージについてご講演いただきました。難解なガバメントクラウドについて、可能な限り平易にご説明いただきました。
和歌山市デジタル推進課システム班長 小松 亮 氏から、共同研究に取り組んだ経緯や標準システムのクラウド利用料やパッケージの利用料の試算、工数管理や共同利用方式を取り入れることによる費用削減効果等、共同研究の結果や考察や研究知見についてご講演いただきました。これからも、引き続き研究を通じてガバメントクラウド最適化に向けて、省力化やコスト削減につながる共同利用方式の特徴等も探っていきたいと述べられました。
デジタル庁参事官 古川 易史 氏から、ネットワークの将来像の検討背景、国・地方それぞれが直面する課題、なぜ2030年なのか、今後の進め方についてご講演いただきました。令和7年度には国・地方ネットワークの将来像の実現に向けた検証を実施し、技術実証だけでなく地域に共通する課題やその解決策等もあわせて検証していきたいと述べられました。
本セミナーは、デジタル人材の確保・育成に係る取組やガバメントクラウドに関心がある方に多くご参加いただき、終了後のアンケートでは、「デジタル人材の確保育成やデジタル基盤について、デジタル庁や自治体の取組状況など参考になり有意義だった。」等の感想が寄せられました。アンケートで頂戴した貴重なご意見等は、今後の企画や取組の参考とさせていただきます。
近畿総合通信局では、今後もこのようなセミナー開催を通じ、近畿地域のデジタル化を推進してまいります。