地上デジタルテレビ放送対応の施設改修方法(2)
伝送路はそのままで放送波の隙間に入るチャンネルに変換する
周波数変換パススルー方式
- 地上デジタルテレビ放送波を(UHF帯)受信して
- 伝送路の機器設備を変えずに
- UHF電波を現施設が伝送できる周波数に変換して伝送する方式

ポイント
- 地上デジタルテレビ放送対応のテレビ等を購入した時から、高画質、高音質、データ放送、双方向等のフルサービスが受けられます。
- 新しく購入した地上デジタル放送対応のテレビ等が「CATVパススルー対応」(ミッドバンド、スーパーハイバンド用チューナ搭載)であることが必要です。(現在販売されている地上デジタルテレビ放送用のテレビならば、ほとんどの場合対応しています。)
- 現有設備のまま地上デジタル電波を流すことができるので、改修経費が比較的安価となります。
- 他の無線局や通信設備に影響が有る場合は、回避しなければならないため使用できる周波数が限定される場合があります。
- 共同受信施設の伝送路はそのままで、地上デジタルテレビ放送用の電波が通るように低い周波数に変換して伝送する狭帯域方式を「周波数変換パススルー」と言います。
- 放送波1ch〜62chの間には、ご覧の通り「ミッドバンド」と「スーパーハイバンド」という2つの隙間があり、通常はケーブルテレビ用のチャンネルとして使われています。
- 例えば、現在の施設が250MH z伝送ならば、地上デジタルテレビ放送のチャンネルをVHF3chと4chの間にあるミッドバンドに周波数変換して伝送します。また、450MHz伝送の施設ならばミッドバンドに加えて、VHFの12chとUHFの13chの間のあるスーパーハイバンドも利用して伝送することが可能となります。
- この場合、例えばアンテナで受信された13chは、テレビでは、「C13」や「C23」等、「C」のついたチャンネルで見られることになります。
- この方式は、伝送路そのものを広げる同一周波数パススルー方式と違って、伝送帯域の隙間を利用するため、基本的に幹線増幅器の交換の必要がありません。そのため、改修費も安く済むのが特徴です。
- 一方、通常のテレビチャンネルとは異なる「Cチャンネル」を使用するため、家庭の地上デジタルテレビ放送対応のテレビやチューナー等にCチャンネルを復調できるチューナーが搭載されていることが必要です。
- お買い求めの際は、「CATVパススルー方式」に対応していることをご確認ください。
- 250MHzタイプの「幹線増幅器」の場合、一部の機器にMIDバンドに対応できないタイプがあり、その場合は、個数分だけ「交換」が必要となります。現在、機器単体の価格では、250MHzも770MHzも変わらなくなってきていますので、幹線増幅器を交換するならば、普及品の770M機器への交換が有利かと思います。
この場合、改修費用の総額が、同一周波数パススルー方式と変わらなくなることがありますので、注意が必要です。
地上デジタルテレビ放送対応の施設改修方法
どこをどう改修するか?
周波数変換パススルー方式

- アンテナは、既存のUHFアンテナが地上デジタルテレビ放送の受信チャンネルに対応するものであれば追加の必要はありません。
アナログとデジタルの受信設備を結ぶ混合器は、アンテナやヘッドエンド装置を追加する際に必要となるものです。
- 周波数変換パススルー方式は、周波数変換型の機器をベッドエンドに追加します。ここで周波数変換型のOFDM「ヘッドアンプ」を入れるか「ブロックコンバータ」を入れるかでも大きく改修経費が変わってきますが、性能が良ければ価格も消費電力も高いということになります。
- 「幹線増幅器」は、 250MHzタイプの場合 20波伝送できるものは交換しないで新しく追加したチャンネルの「レベル調整」をすれば、そのまま使うことができます。
- 「電源供給器」は、チャンネル追加による不足が生じた場合は、追加・交換する場合があります。その他の設備については、特段必要が生じなければそのまま使えると考えてよろしいかと思います。
★この方式での最大のチェックポイントは、受信側の地上デジタルテレビ放送対応のテレビ等が「CATVパススルー対応」であることです。CATV用のチャンネルを使用するため、これが搭載された地上デジタルテレビ放送対応のテレビ等で無ければ地上デジタルテレビ放送は映りません。現在、国産の地上デジタルテレビ放送対応のテレビ等は、ほとんど「CATVパススルー対応」となっていますが、外国製品の地上デジタルテレビ放送対応のテレビ等をお買い求めの際は、電気店にご確認ください。
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