「ICTフェア in 東北2026」を開催

令和8年7月8日

 東北総合通信局は、令和8年6月24日(水)、せんだいメディアテークにおいて、東北情報通信懇談会等との共催により、AIなどの先進的なソリューションを活用した取組事例の紹介や体験の機会を提供し、デジタルの力を活用し、地域課題の解決を図る地域社会DXへの理解促進を目的として、「ICTフェア in 東北 2026」を開催しました。
 本フェアは、情報通信の普及・振興を目的とする情報通信月間(5月15日〜6月15日)の取組の一環として、毎年実施しているものであり、今年で21回目を迎えました。
 東北地域では、人口減少・少子高齢化による人手不足や最近では熊被害の増加など様々な課題を抱えております。これらの課題を解決し、活力ある持続可能な地域社会を実現するためには、地域社会DXの推進が重要となっています。
 本フェアでは、急速に進展するAI技術にも注目し、「DXとAIで切り拓く東北の未来〜AI×通信による地域社会DXの新たなアプローチ〜」をテーマに、有識者による講演、最先端のICT活用事例の紹介、パネルディスカッション、企業等による最新のデジタル機器等の展示を実施し、多くの参加者の関心を集めました。 

オープニング

 主催者(東北総合通信局長)挨拶に続き、東北情報通信懇談会会長 藤ア三郎助氏(東北六県商工会議所連合会会長)よりビデオメッセージを、一般社団法人東北経済連合会副会長 佐々木裕司氏よりご挨拶をいただきました。

主催者挨拶
新田 隆夫 局長
藤ア氏
藤ア 三郎助 氏
佐々木氏"
佐々木 裕司 氏

セミナーの部

■基調講演
「人類がAIと共生するための道筋」

講師:東京大学松尾・岩澤研究室 主幹研究員 山川 宏 氏

山川氏
 

 自律的に相互作用するAIエージェントが社会全体に影響を及ぼす時代の到来を背景に、「免疫系のないAI社会」と「免疫系のあるAI社会」のどちらかを選ぶかという重要な視点が示されました。また、DXとAIを地域に定着させるための前提として、技術・制度・理論を統合した重層的な基盤「知性共生インフラ(IS-Infra)」が紹介されました。さらに、AIの逸脱を検知するAI免疫システム(AIS)と、倫理を内側から生み出す創発機械倫理(EME)を柱として、AIと人類が共生していくための方向性について、ご講演をいただきました。

■先進事例紹介
【講演1】「AI・ロボット活用による業務省力化に向けて」

講師:NTTドコモビジネス株式会社 SM本部 ソリューションコンサルティング部 地域協創推進部門 第二グループ第二チーム 長谷川 将貴 氏

長谷川氏
 

 深刻な労働力不足を背景に、令和7年度総務省「地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)」を活用した実証事業について紹介され、AIやロボットによる省人化・自動化の可能性が示されました。本実証では、エッジAIとクラウドの連携により、通信量の削減とリアルタイム性の両立を図るとともに、電波環境の改善による安定した通信基盤の確保についても検証が行われました。さらに、工事現場の監視業務の効率化といった成果が示された一方で、精度向上やコスト面に関する課題についても、ご講演をいただきました。

■【講演2】「フィジカルAI時代における日本の戦い方」
講師:株式会社Highlanders 設計開発部 設計主任 橋本 航平 氏

橋本氏
 

 「考えるAI」にとどまらず、「動いて作用するAI」であるフィジカルAIが社会変革を加速させる中、重労働や危険作業といった身体的作業の現場における人手不足の解消に向けた可能性が示されました。一方で、日本が海外製のAIやロボットの単なる利用者にとどまりつつある現状への危機感も共有されました。フィジカルAI時代において、日本の産業をいかに発展させていくかについて、最前線で活躍する起業家・研究者の視点からご講演をいただきました。

■【講演3】リアルな操縦感覚を目指した遠隔操作ロボットの開発
講師:トヨタ自動車株式会社 未来創生センター R-フロンティア部 協調ロボティクスグループ 稲垣 裕滋 氏

稲垣氏
 

 AI技術の急速な進展により自律ロボットが注目される一方で、人間拡張の観点から、人の能力を広げるロボット技術への関心の高まりが示されました。また、次世代通信を活用し、操縦者があたかも現場で作業しているかのような臨場感の実現を目指す遠隔操縦ロボットの技術について、ご講演をいただきました。

■パネルディスカッション

  • テーマ:「AI×通信による地域社会DXの新たなアプローチ」
  • コーディネーター:東北大学大学院工学研究科・特任教授 舘田 あゆみ 氏
  • パネリスト:
    NTTドコモビジネス株式会社 SM本部 ソリューションコンサルティング部 地域協創推進部門 第二グループ第二チーム 長谷川 将貴 氏
    株式会社Highlanders 設計開発部 設計主任 橋本 航平 氏
    トヨタ自動車株式会社 未来創生センター R-フロンティア部 協調ロボティクスグループ 稲垣 裕滋 氏
パネリスト
 少子高齢化や人口減少に伴う労働力不足が課題となる中、デジタル技術の導入を見据え、AIの活用状況や導入事例、現場での課題について、各企業の視点から共有が行われ、技術面・運用面の論点が多角的に議論されました。後半では、東北地域におけるAI活用の促進に向けて、導入が進まない要因や優先的に取り組むべき課題について意見が交わされ、地域の持続的な発展に向けた方向性が検討されました。また、AI導入による業務効率化や生産性向上の重要性が改めて共有されるとともに、地域全体での活用促進に向けた機運の醸成や将来展望について認識を深める機会となりました。

展示の部

 
 1階オープンスクエアの展示会場では、企業や大学、研究機関など23団体がブースを出展し、ICTやDXに関する最先端の通信技術や研究成果が紹介されました。
 会場では、セミナーで先進事例として紹介されたフィジカルAIを活用した最新の国産4足歩行ロボットをはじめ、超低遅延のロボット遠隔操縦システムのデモや、災害時の通信ライフライン設備、DXを支える各種ICTインフラ、サイバーセキュリティ関連の展示などが行われました。
 ICTフェアを通じて、地域社会DX推進の重要性が改めて認識されるとともに、産学官民の連携によるデジタル技術の活用や社会実装の可能性が広く共有されました。
 今後も、最新の通信技術やAIをはじめとするデジタル技術の活用促進により、東北の明るい未来の実現に向けて、関係機関と連携しながら取組を進めてまいります。

連絡先

 東北総合通信局
 情報通信部情報通信連携推進課
  TEL 022-221-0609 

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