セミナーA-2：　放送コンテンツの海外展開による東北の魅力発信
　〜地域の創意工夫による放送コンテンツ海外展開モデル事業報告〜

■「日本の奥の院・東北探訪ルート」を通じた“みちのく”の魅力発信と被災地復興に寄与する 観光客の誘致及び東北地場産品のタイ王国での販路拡大に資する事業

　講師：　株式会社福島中央テレビ　業務推進局編成進行部　部長　��橋　和宏　氏

【講師の福島中央テレビ　��橋部長】

　タイの放送局（THAI TV3）の旅番組「ティオラマイ　タイランド」の中で、東北探訪ルートを紹介する30分番組を4回放送した。
　番組は、タイ人リポーターとバンコク在住の日本人タレントが共演する形で企画した。タイ側の手法に合わせて制作したため、観光ビデオのような「タイ・テイスト」になった。
　バンコクの日系百貨店で連動企画として物産展を開催したり、同時期に開催のTITF(THAI　International Travel Fair)でダイジェスト映像を流したりした。
　日本にはないタイ独自の演出手法が学べたことは収穫であったが、物産展では商品により、売り上げ目標を下回るものも多く、消費者ニーズを意識した展開が必要と感じた。

■自治体や国等と連携して東北地方活性化に資する放送コンテンツ海外展開事業

講師：　株式会社テレビユー福島　執行役員チーフプロデューサー　伊藤　明　氏

【講師のテレビユー福島 伊藤チーフプロデューサー】

　国のビジットジャパンやクールジャパン等の施策と連携し、東北の活性化を図るため本事業に取り組むこととし、TTV台湾テレビ（日本国内の準キー局並みの規模）の報道番組「国際熱線Global View」の中で、60分番組のうち前半30分を8週連続で放送した。福島中央テレビと事情は同じで、国によってテイストが違う（台湾では字幕テロップ挿入が常時必要等）こともあり、共同制作が必須であると感じた。
　タイアップ企画としては海外向けECサイト「JAPAN SQUARE」の中で番組中紹介した商品を掲載したり、台湾の旅行会社と連携し東北へのツアー商品を販売したりしている。
　台湾から見れば福島県は放射能で人がとても住めない場所と思われていたが、その払拭と福島県の復興にいささかなりとも寄与出来たものと自負している。今後とも海外への継続的な情報発信が必要と考えている。