特集
騒音事件に関する研究会の取組について

■はじめに

 近年、地方自治体における公害苦情・相談の中で、割合が高まっており、公害等調整委員会(以下「公調委」という。)でも申請が増加している騒音・低周波音・振動の問題(以下、単に「騒音問題」という。)については、令和4年度に公調委に本研究会を発足させ、対応のあり方の検討を行ってきた。
 令和5年度においては、令和4年度の報告を踏まえ、都道府県公害審査会や公害苦情相談アドバイザーへのヒアリング、都道府県公害審査会及び市区町村担当者を対象としたアンケート等(以下「アンケート等」という。)を実施し、併せて中央委員会及び都道府県公害審査会における調停成立事件を分析した。また、これらの分析結果を資料として、 騒音・振動事件に関する公調委の専門委員による意見交換会を開催 し、専門的見地からの議論を行った。
 ここでは、令和5年度の本研究会の報告書のうち、アンケート等 の結果及び調停成立事件の分析結果の概要について紹介する。

工事の騒音のイラスト

注:本内容は、本研究会における令和5年度の活動をまとめた報告書の内容を抜粋したものである。

1.府県公害審査会及び公害苦情相談アドバイザーを対象とするヒアリング (略)

2.都道府県・市区町村に対するアンケート

 都道府県及び市区町村における公害苦情処理の実態を具体的に明らかにするため、全都道府県公害審査会及び公調委主催のブロック会議への参加実績のある市区町村苦情相談担当部局を対象に、WEBアンケートを実施した。

2−1.都道府県公害審査会へのアンケートの概要
 回答状況:送付47団体 回答25団体   回答率:53.2%

2−1−1.都道府県公害審査会にとって必要な事項
 都道府県公害審査会会長と事務局担当者に、審査会としてどのような機能や体制が必要か、そのうち何が最も重要かを訊ねたところ、以下の結果であった。
  表1. 都道府県公害審査会にとって必要な事項
 表1. 都道府県公害審査会にとって必要な事項

 最も必要なものとしては、当事者間を調整するノウハウ、との回答が28%で最も多かった。
 都道府県と市区町村の間の連携については、事案による、という追記が1件あった。
 都道府県間の連携については、情報を共有することは望ましい、との意見があった。
 事件対応に騒音の計測機器が必要か、との問いについては80%の都道府県が「必要」と回答しているが、一方で以下のとおり、測定値に頼ることの危険性を追記回答していることにも注目する必要がある。
 ・ 騒音苦情の解決は被害者の被害感を軽減することにより図られるものであり、必ずしも客観的なデータを計測する機器が必要であるとは言えない。
 ・ 測定の結果、基準内であれば、加害者側が調停に応じないことも想定され、必ずしも必要ではないと思う。
 研修の方式については、研修内容による、計測機器のレクチャーに関する内容を含むのであれば集合研修、と2件の追記があった。他方、WEB研修としては、計測機器のレクチャーに関する内容を含まず、事例紹介等だけであればWebでよい、との追記が1件あった。

2−1−2.都道府県の取組状況

  表2. 都道府県の取組状況
 表2. 都道府県の取組状況

 80%の都道府県で、騒音について指導/関与するための条例・規則等が制定されていた。これらの条例・規則等には、騒音規制法の特定施設の横出し・上乗せ、拡声器の使用の制限、深夜営業騒音の規制、重機作業の規制、アイドリングストップの義務化など、各自治体の地域の状況に応じた様々な内容のものがあった。
 騒音計測機器はほとんどの都道府県に配置されていて、持っていないとの回答は2自治体のみであった。
 管内市区町村に対する研修は52%の都道府県で実施していた。うち、1県では県環境科学センターが技術研修を行っていた。
 他の自治体に参考としてもらえるような、参照すべき好事例は今回の調査では挙がらなかった。また、中央委員会(公害等調整委員会)へ移したかった事例も挙がらなかった。
 難航した事件を分析しておくことは極めて有意義であり、こうした事例を公表することには解決すべき点が数多くあるが、例えば、自治体と共同で事例の分析を行うなど、情報収集方法を工夫して取り組むことが必要である。

2−2.市区町村公害苦情相談窓口担当部局へのアンケートの概要
 回答状況:送付186団体 回答114団体   回答率:61.6%

2−2−1.市区町村公害苦情相談窓口にとって必要な事項

  表3. 市区町村公害苦情相談窓口にとって必要な事項
 表3. 市区町村公害苦情相談窓口にとって必要な事項

 最も必要なものとしては、当事者間を調整するノウハウ、との回答は100%、うち、最も必要との回答が38%であった。次いで、騒音測定の技術が必要98%、うち、最も必要との回答も22%あり2番目に多かった。
 事件対応に騒音の計測機器が必要か、との問いについては86%の市区町村が「必要」と回答し、最も必要とした市区町村も20%で3番目に多かった。対応状況により必要となる場合がある、との追記も1件あった。一方で以下のとおり、都道府県公害審査会と同様に、測定値に頼ることの問題を追記している。
 ・ 騒音計で測定し基準を下回る数値だった場合、対象に「基準を遵守しているからこれ以上対応する必要はない」という考えを持たせてしまう可能性があるため測定しない方が良い事案もあると考える。
 都道府県との連携については、条例解釈や苦情対応の相談などで必要、という追記が1件あった。 研修の内容については、苦情解決に特化した研修を行うべき、との追記が1件、実測訓練などを研修に取り入れてもらいたい、との追記が1件あった。研修の方式については、ブロック会議で共有できれば、という追記が1件、WEB形式での研修については、集合研修を受けられない方など向けにあっても良い、見返しができるとより良い、という追記もあった。

2−2−2.市区町村の取組状況

  表4. 市区町村の取組状況
 表4. 市区町村の取組状況

 今回対象としたのは公調委主催のブロック会議への参加実績のある市区町村という選択バイアスはあったが、条例・規則を制定している市区町村が38%、計測機器を配備している市区町村は95%に上った。
 他の自治体に参考としてもらえるような参照すべき好事例があると回答した市区町村が3件、難航事例があると回答した市区町村は12件あり、また、都道府県公害審査会や中央委員会(公害等調整委員会)へ移したかった事例があると回答した市区町村は14自治体に上った。
 好事例の共有が必要、との特記が1件、公害苦情の未然防止につながった好事例や取組等があれば教えてほしい、という特記も1件あった。
 アンケートの結果からは、市区町村においても、予算や人員等の制約がある中で制度の整備や測定体制の確保等の騒音問題の解決のための取組を講じており、また職員は調整ノウハウの収集や測定調査技術の習得に意欲を有し、自治体間の連携の必要性を意識していることがうかがえた。

3.騒音問題に関する調停成立事件の分析

 平成23年度から令和4年までの公調委の調停成立事件28件と同時期の都道府県公害審査会の調停成立事件109件について、調停成立の経緯を分析した。
 「騒音事件に関する研究会 令和4年度報告書」を踏まえ、まず、調停内容から以下の2種類に分類した。
 (1) 騒音等の測定の結果、基準を越えていることが明らかな場合などにおいて、被申請人に対し、具体的な対策工事等の実施を約束させる内容のもの
  ⇒「被申請人要対応」
  例:「被申請人は、申請人との敷地境界(別添図に位置を図示)に高さ○メートルの遮音壁を設置すること。」
 (2) 騒音等の測定の結果等からは、基準は越えていないことが明らかではあるものの、紛争を解決し、将来の紛争再発を防ぐために、被申請人に、従前遵守していたことを引き続き遵守するよう約束させて、清算条項を設ける内容のもの、または、騒音等の測定の結果等からは、基準は越えていないことが明らかであり、申請人側にも被申請人を監視する、警察等に頻繁に通報する等の行為があった場合などに、紛争を解決し、将来の紛争再発を防ぐために、申請人・被申請人の双方に対し、相手方に配慮することを約束させ、清算条項を設ける内容のもの
  ⇒「被申請人任意対応または現状維持双方遵守」
  例:「被申請人は、従前に引き続き、(対象機器)を適切に使用し、(対象作業)を可能な限り丁寧に行うことを約束する。」
    「被申請人は、今後も、(対象施設)周辺の生活環境に配慮するものとし、(対象施設)から発生する音の敷地境界における数値が規制基準を下回る状態を保持するものとする。」
    「申請人及び被申請人は、互いに平穏に生活及び業務を継続できるよう配慮することを約束する。」

 そのうえで、職権調査の有無、自治体調査又は当事者調査の有無、専門委員等からの意見書の有無、当事者へのヒアリング及び調停期日の回数などを分析した。
 また、警察への通報や裁判所への提訴の有無、健康被害を訴える事件では診断書の有無、調停後の自治体の関与等もみた。

3−1.公調委調停事件について
 対象期間に公調委が係属した騒音等(低周波音を含む)事件106件のうち、調停が成立したのは28件、26%であった。

3−1−1.調停内容
 28件のうち、調停内容が上述の分類で「被申請人要対応」となったのは17件61%、11件39%は「被申請人任意対応または現状維持双方遵守」であった。

3−1−2.調停成立事件における調査実施の状況
 28件のうち、職権調査が行われたのは24件86%、実施しなかったのは4件14%であった。自治体調査が行われていたのは10件36%、申請人/被申請人による調査の結果が提出されていたのは18件64%であった。

3−1−3.調査の結果と調停内容
 調停内容が「被申請人要対応」となった17件では、職権調査で2件、市区町村調査で4件、申請人/被申請人の調査で9件、合計16件が何らかの「基準超え」であった。
 調停内容が「被申請人任意対応または現状維持双方遵守」となった11件の中では、職権調査、市区町村調査、 申請人/被申請人の調査のいずれかで「基準超え」であったのは5件あったが、このうち、職権調査で「基準超え」であったのは2件であった。

3−1−4.申請人/被申請人ヒアリング及び調停期日の回数
 28件のうち、ヒアリングについて明確な記録のある平成29年4月以降の事件14件について、ヒアリングの回数、及び、28件の調停期日の回数は以下のとおりで、単純平均では2.9回であった。
 ただし、公調委の調停事件、特に職権で裁定から調停に移行した事件では、手続の過程で当事者が合意可能な事項と歩み寄りが必要な事項とが既におおむね整理されていることが多い。そのうえで、調停の進行では、当事者双方に対して裁定委員会の心証を踏まえてそれぞれの当初の意見から歩み寄るよう、例えば被申請人が講じる具体的な対応の詳細等を調整するため、期日を設けることになる。裁定事件として係属した後に終結して調停に移行した事件では既に裁定事件としてヒアリングや期日が重ねられており、今回の分析では裁定事件の段階での回数がカウントできていない中でのデータであることに留意したい。

  表5. 公調委の調停成立事件におけるヒアリングの回数
 表5. 公調委の調停成立事件におけるヒアリングの回数

  表6. 公調委の調停成立事件における調停期日の回数
 表6. 公調委の調停成立事件における調停期日の回数

3−1−5.健康被害の申立てにおける診断書
 28件のうち、申請人の申立ての中に何らかの健康被害が含まれていたのは27件であり、このうち医師による診断書の提出があったのは9件33%、提出されなかったのが18件67%であった。  診断書提出があった9件のうち、調停内容が「申請人要対応」となったのは6件67%であった。一方、診断書提出がなかった18件のうち、調停内容が「申請人要対応」となったのは8件44%であった。

3−1−6.自治体の関与
 28件のうち、調停の内容に自治体の関与が盛り込まれた(例:被申請人は規制基準を遵守するよう自治体から指導があった場合には従う 等)のは1件4%であった。

3−1−7.公調委の調停における基本的な考え方(略)

3−2.都道府県公害審査会調停事件について
 公調委は毎月、都道府県公害審査会から調停の申立てと終結の状況について報告を受けている。こうした報告内容を用いて、都道府県公害審査会調停事件を分析した。
 調査対象期間中に都道府県公害審査会が取り扱った調停事件は472件であった。このうち調停が成立したのは109件23%であった。

3−2−1.調停内容
 調停が成立した109件のうち、報告からは調停内容が不明であった5件を除いた104件において、「被申請人要対応」は94件90%、「被申請人任意対応または現状維持双方遵守」は10件10%であった。

3−2−2.調停成立事件における調査実施の状況
 調停が成立し、調停内容が確認できた104件のうち自治体調査が実施されていたのは33件32%であった。5件では申請人/被申請人による計測調査が行われていたが、5件全件について、自治体による調査も実施されていた。
 71件68%では自治体調査も実施申請人/被申請人による計測調査も行われずに、調停が成立した。

3−2−3.調査の結果と調停内容
 調査が行われ、調停が成立した33件のうち、「基準超え」は11件33%、「基準未満」は1件3%、調査結果未記載が21件64%であった。
 このうち「被申請人要対応」は28件85%、「被申請人任意対応または現状維持双方遵守」5件15%であった。
 「基準超え」の11件のうち前述のとおり「被申請人要対応」となったのは10件であった。他方、「基準未満」の1件も「被申請人要対応」となった。

3−2−4.調停期日の回数
 都道府県公害審査会からの報告からはヒアリングを実施した回数を確認することはできなかったが、期日については下記のとおりであり、平均は5.9回であった。
 中央委員会(公調委)事件の分析と同様、今回は調停不調に終わった事件における期日回数を集計していないため、期日回数の調停成立への影響については評価できなかった。

  表7. 期日の回数の分布
 表7. 期日の回数の分布

3−2−5.都道府県公害審査会における調停成立のポイント
 公害紛争処理法に基づく都道府県公害審査会の紛争処理制度には、あっせん、調停及び仲裁があり、現在審査会に提出される騒音・振動案件の大半は調停を求めるものである。公調委と異なり、裁定手続から調停に移行する事例はないので、事実の調査等と調停を並行して行うことになる。

【ポイント1 期日を重ねて調整することが有効ではないか】
 調停内容については、「被申請人要対応」が大多数であるが、「被申請人任意対応または現状維持双方遵守」を含めるとほとんどの案件において被申請人から何らかの対応を引き出している。調停成立には被申請人から(被申請人が納得しつつも)申請人が納得できるような対応策を引き出すことが重要であると考えられる。
 調停期日の回数については平均約6回近くとなっており、1回で成立したのは2件、2回は12件と、少ない回数で調停に至った事件の全体に占める割合は小さい。双方の主張を丁寧に聞き、かつ、事実関係の把握等を行った上で調停案を作成し、双方の利害を調整し、説得を重ねることで調停に至っているものと考えられる。
 また、前項*1で紹介した2府県*2のように、調停期間を通じて、調停委員会に参画している専門家(法曹や騒音・振動等の専門家)がそれぞれの専門的知見から事件の事実解明、評価、対策の検討、当事者の説得等に関わることが効果を上げていることにも着目したい。

【ポイント2 調査を絶対視せず、多様な手法を動員してアプローチすることが有効である】
 3分の2の事件では、調査を行わずに調停を成立させている。調査を実施した中でも21件およそ3分の2の事件では公調委への報告においては結果が未記載となっており、この中には、簡易測定など何らかの現地調査は行ったが、調停における事実認定の証拠としては用いていない、といった事例が含まれている可能性がある。公調委の調停の項で言及したとおり、調査は強力な手法ではあるが、それを調停成立のためにいかに活用するかについては、紛争の解決のために必要なことは何か、という視点で検討が必要と考えられる。
ーーーーーー
*1 前項とは、「1.府県公害審査会及び公害苦情相談アドバイザーを対象とするヒアリング (略)」を指している。
*2 2府県とは、「1.府県公害審査会及び公害苦情相談アドバイザーを対象とするヒアリング」にてヒアリング対象の府県である。
※ 詳細は、「騒音事件に関する研究会 令和5年度報告書(令和6年3月)」に掲載している。
  参照先: https://www.soumu.go.jp/kouchoi/menu/main7info.html#heading08
 

4.専門委員意見交換会 (略)

5.総括 (略)

2年間の本研究会の活動を受けて

公害等調整委員会
(前略)
 今年度には、都道府県公害審査会委員や公害苦情相談アドバイザーへのヒアリング及び自治体アンケートを実施し、公調委及び都道府県公害審査会における調停成立事例の分析を行った。これらを通じて以下の点が明らかとなった。
 まず、都道府県公害審査会の調停成立のためには、ある程度期日を重ねて調停委員による粘り強い調整と説得を行うことが有効ということが明らかとなっている。騒音測定等の客観的データが存在することは、当事者の調整や説得により合理的な解決に至る上で望ましい。とはいえ、種々の制約のある中で、調停成立事案の3分の2で、騒音測定等の調査が行われていないということは、特筆すべきことであり、粘り強い調整と説得の成果であると考えられ、都道府県公害審査会の各委員が、持ち前の紛争解決ノウハウや専門分野における知識・経験を総動員して、当事者間の利害を調整し、説得を重ねた努力の結果と評価される。
 このような当事者間の利害調整のノウハウ等は、公害紛争の処理にたずさわる誰もが必要と考えるところである。公調委としても、都道府県と市町村との連携の強化を通じて、このようなノウハウの言語化を図り、情報共有することが期待されている。
 他方で、そのようなノウハウは、当該事案の特性や、説得に当たる個人の有する性格・資質にも左右され、一般化することが困難な面があるとともに、それだけに頼ることは、解決内容の合理性の確保という観点からは裏付けが十分ではないのではないかとの懸念が生ずる。
 例えば、公調委の調停では、精度の高い職権調査を行い、専門委員の助力を得て具体的対応策を考えることが有効な手段となっている。調査結果に基づいて解決内容の合理性を確保することは、当事者を説得する上で有効であるとともに、調停等の解決内容が当事者間の紛争解決の基準として将来にわたって通用するためも必要なことではないかと思われる。
 都道府県公害審査会の調停については、取り扱った事件数のうち77%が不成立となっており、騒音測定等のデータが利用できれば、更に多くの成立が望めたかもしれないとの感を否めない。また、成立事案の90%が「被申請人要対応」となっており、公調委の61%を大きく超えていることも、調停内容の合理性及び多様性の観点から、なお検討を要するところのように思われる。
 他方で、騒音測定等の調査については、騒音規制法の事務が市区町村の事務とされ、都道府県公害審査会は専門家の確保が困難で自ら測定できない場合は、市区町村による測定を依頼することになるが、95%の市区町村が計測機器の配備はしているものの、騒音測定の技術が不足している現状にある。のみならず、騒音の測定値について、公害紛争の解決のための有益性に対して懐疑的な考えさえ示されている。  とはいえ、大多数の自治体で、騒音測定技術やその評価の仕方の必要性が認識されており、これらの習熟により、公害紛争の解決率を高め、解決内容の合理性の確保が図られるのではないかと期待していることがうかがえる。
 以上の認識を踏まえ、公害等調整委員会としては、以下の提言をしたい。
 まず、都道府県と市区町村との連携の強化が重要であり、引き続き、研修会の実施等により紛争解決技法及び騒音測定技術の向上に努めることにより、市区町村レベルでの解決を高めるとともに都道府県公害審査会の手続に市区町村の測定結果が反映されやすくなる関係を構築することが必要である。公調委としても、連絡協議会や事例集等を通じて、このような面での一層の情報提供を図り、都道府県と市町村との連携の強化に務めることが必要である。
 また、各都道府県の実情に応じ、騒音測定等の調査が得られない、又は簡易若しくは不十分な結果しか得られない場合でも、あきらめることなく、粘り強く丁寧に調停を進行させ、解決策のアイデアを出し合って、調停成立させることが引き続き重要である。
 その場合にも、都道府県公害審査会の専門家委員の知見を利用するなど、持てるリソースを活用して、できる限り調停内容の合理性の確保に努めることが必要である。
 公調委としても、専門委員の意見交換会を通じ、専門知見を交換し合って平準化し、自治体が容易に利用できる方策を探るなど、自治体に提供できる紛争解決のための情報を整理していくことが必要である。
以上

  

 騒音事件に関する研究会の結果をまとめた報告書については、公調委ホームページにおいて掲載しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。
 掲載URLは以下のとおりです。
 https://www.soumu.go.jp/kouchoi/menu/main7info.html#heading08
 
騒音研究会

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