【1.会議の概要】
公害等調整委員会(以下「公調委」という。)では、公害紛争処理及び公害苦情相談を担当する職員間の情報共有や連携を支援する会議を全国6ブロックで実施しています。
令和7年度は10月に中国・四国、九州・沖縄、関東・甲信越・静岡、東海・北陸の4ブロック、11月に近畿、北海道・東北ブロックの会議を開催しました。
構成として、前半は都道府県、市町村(特別区を含む。以下略。)両方が参加する合同会議、後半は都道府県と市町村とに分かれ、都道府県が参加する公害紛争処理関係ブロック会議(以下「県会議」という。)と、市町村職員が参加する公害苦情相談員等ブロック会議(以下「市会議」という。)を並行して開催いたしました(全国6ブロックで開催した会議のことを以下「ブロック会議」という。)。

北海道・東北ブロック 公害苦情相談アドバイザー講演の様子 (於 福島県福島市)
令和7年度ブロック会議開催状況
| ブロック |
開催地 |
日程 |
| 北海道・東北 |
福島県福島市 |
11月28日(金) |
| 関東・甲信越・静岡 |
群馬県前橋市 |
10月24日(金) |
| 東海・北陸 |
富山県富山市 |
10月31日(金) |
| 近畿 |
大阪府大阪市 |
11月14日(金) |
| 中国・四国 |
徳島県徳島市 |
10月3日(金) |
| 九州・沖縄 |
沖縄県那覇市 |
10月9日(木)・10日(金)※ |
※2日目は「第50 回公害苦情相談員等ブロック会議」のみ
【2.合同会議】
令和6年度以降、春の公害紛争処理連絡協議会と秋のブロック会議を連携させて全体構想を推進していくこととしています。市会議の参加予定者への事前アンケート結果で、公害苦情の申立て後、相当の期間が経過しても、なお解決の見通しが立たず、又は紛争が激化する可能性があるという意見や、行政機関による解決のメリットがいかせないと考えているものがあったという意見も一定数ありました。前半の流れを後半の議論につなげるため、合同会議では、公調委の事務局次長から「全体構想」の説明を行った後、事務局調査官から強みと特色をいかした調停事例(「ちょうせい」令和7 年8 月号「コラム 行政ADR の強みと特色を活かした実践例」)等の紹介を交えて公害紛争処理制度の説明を行いました。
続いて、公害苦情相談アドバイザー(以下「アドバイザー」という。)から、公害のない住みよい地域社会を実現するため、公害苦情相談窓口業務に当たっての心構えや留意点などについての講演が行われました。
これらの説明を通じて、公害苦情処理では解決できなかった事案の中には、調停等により解決できるものがあること、特に、自ら解決が困難な事案については、適切な機関への申立てを誘導することが重要であることをお伝えできたと考えています。

公調委事務局次長からの説明の様子

関東・甲信越・静岡ブロック 合同会議の様子 (於 群馬県前橋市)
【3.県会議】
都道府県が参加する公害紛争処理関係ブロック会議においては、都道府県と公調委では法令や体制等の違いがあることも踏まえて、意見交換できるように工夫しました。
まず、公調委から、どのような違いがあるのかを補足しながら、(1)調停運営の具体的イメージ、(2)ウェブ会議等を活用した情報共有、(3)研修を活用した市町村との連携について説明しました。
これを受けて、(1)調停運営の進め方、(2)窓口における制度説明のあり方、(3)事務局と会長・委員との情報共有のあり方、(4)市町村との連携の強化について意見交換が行われました。
次に、参加している都道府県から紛争処理事例の紹介や持ち寄り議題の意見交換が活発に行われました。
また、実質的な担当者が1人で行っている県審査会の事務局もいたこともあり、休憩時間等を有効活用して、情報交換も行われていました。

中国・四国ブロック 県会議の様子(於 徳島県徳島市)
○県会議での出席者の主なご発言等
- 被申請人が期日に出席しない場合に、訴訟リスクもある中で打切りとする判断が難しい。
- 申請人の過度な要求があり、打切りになっているが、調停委員会が説得までするかどうかを悩んでいる。
- 申請相談の際に、県が強制力を持って解決してくれると期待して相談する方が9割位であるので、公害調停に馴染まない場合にはその旨を伝えている。
- 公害紛争の未然防止のためにも、市町村と普段からコミュニケーションをとることなどにより、連携しながら対応していくことが大事である。
【4.市会議】
市町村職員が参加する公害苦情相談員等ブロック会議においては、冒頭、公調委から都道府県と市町村の研修を活用した連携の事例を紹介した上で、苦情相談窓口において公害審査会を紹介した 事例についての意見交換が行われました。
続いて、複数のグループに分かれてのグループワークが行われ、それぞれのグループ内で活発な意見交換が行われました。
グループワークにおいてはグループ内での意見交換に加え、各事例に対して公害苦情相談アドバイザーから経験を基にしたコメントが行われ、自身が所属する市町村だけでは経験できないような事例についても情報を共有する機会となっていました。
また、職場に長く相談業務を経験している職員がいない市町村もいたこともあり、休憩時間等を有効活用して、情報交換も行われていました。

東海・北陸ブロック 市会議の様子(於 富山県富山市)
○市会議での出席者の主なご発言等
- 発生源が外国人であるケースが散見されるようになり、意思の疎通が難しいことがあるが、スマートフォンの翻訳機能を活用している例が多いと知ることができた。
- 経験豊富な職員が減っていく中、苦情対応の結果は記録に残すことが大切。
- 公害苦情相談窓口における苦情対応において、苦情申立人が補償を求めて苦情を続けているという報告があり、そういった案件で話し合いはできるものの、苦情対応では納得が得られなかった場合には、調停や裁定の申請を勧めてもよいのではないかとの意見があった。
【5.終わりに】
今回の参加者アンケートにおいて、ブロック会議全般について「満足度」「業務に役立った割合」ともに85%を超えました。また、自由記載の意見においても、ほかの地方公共団体の対応や考え方を知る機会になったといったご意見や、アドバイザーの講演が参考になったといったご意見も頂きました。
これらの評価をいただけたのも、開催県・市の皆様のご協力によるものです。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
また、ブロック会議の進行につきましてもご意見をいただきましたので、来年度以降の会議運営の参考とさせていただきます。ご参加いただいた方にとっては、意見交換等を通じて、感じたことなどを今後、具体的にどう実践に結びつけるかを考える契機となったのではないかと感じました。公調委といたしましても、ブロック会議の場で頂戴したご意見、得られた知見を生かして今後の公害紛争処理業務に取り組んで参ります。
来年度開催予定の第56回公害紛争処理連絡協議会におきましても、ご参加の皆様から貴重なご意見を頂戴したいと考えております。これらも踏まえ、「全体構想」の推進に取り組んでいただければ幸いです。
都道府県、市町村の皆様におかれましては、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

近畿ブロック 合同会議の様子(於 大阪府大阪市)

九州・沖縄ブロック 市会議の様子(於 沖縄県那覇市)