はじめに

本報告は、「地方財政法」(昭和23年法律第109号)第30条の2第1項の規定に基づき、内閣が、地方財政の状況を明らかにして国会に報告するものであり、昭和28年以来毎年報告を行っており、今回で70回目になる。

令和2年度の地方財政の概況は次のとおりである。

歳入は、前年度と比べて26兆8,014億円増(26.0%増)の130兆472億円となった。このうち、通常収支分は27兆645億円増(26.8%増)の128兆1,883億円、東日本大震災分は2,632億円減(12.4%減)の1兆8,589億円となった。主な増要因は、新型コロナウイルス感染症対策に係る補助事業の増加等による国庫支出金の増加(21兆6,213億円増)、新型コロナウイルス感染症対策に係る制度融資の増加等による貸付金元利収入の増加(4兆2,167億円増)、減収補填債の増加等による地方債の増加(1兆3,902億円増)である。

歳出は、前年度と比べて25兆7,567億円増(25.8%増)の125兆4,588億円となった。このうち、通常収支分は26兆416億円増(26.6%増)の123兆9,385億円、東日本大震災分は2,850億円減(15.8%減)の1兆5,203億円となった。主な増要因は、新型コロナウイルス感染症対策に係る事業の増加等による補助費等の増加(19兆1,568億円増)、新型コロナウイルス感染症対策に係る制度融資の増加等による貸付金の増加(4兆5,622億円増)、新型コロナウイルス感染症対策に係る委託費の増加等による物件費の増加(6,959億円増)である。

また、普通会計が負担すべき借入金残高は、前年度と比べて748億円増(0.0%増)の192兆3,263億円となった。その内訳は、地方債現在高の増加(1兆1,268億円増)、企業債現在高(普通会計負担分)の減少(8,020億円減)、交付税及び譲与税配付金特別会計(以下「交付税特別会計」という。)借入金残高の減少(2,500億円減)である。

本報告は、以下の3部から構成されている。

第1部では、令和2年度の地方財政について、地方財政状況調査等に基づき、決算収支、歳入、歳出等を分析するとともに、令和2年度決算に基づく健全化判断比率等及び公共施設の状況等を明らかにしている。

第2部では、令和3年度及び令和4年度の地方財政の動向について取りまとめている。

第3部では、最近の地方財政をめぐる諸課題への対応について取りまとめている。

  • 各項目についての計数は、表示単位未満を四捨五入したものである。したがって、その内訳は合計と一致しない場合がある。
  • (*)を付記した用語は、「用語の説明」に定義を記載している。
  • 提出された法律案、検討状況等については、特に断りがない限り、令和4年2月末の状況を基に記述している。
  • 各項目の詳細な計数は、関連資料集に集録してある。

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